主張義務教育の就学援助 入学前支給、もう一段の普及を

公明新聞:2018年2月17日(土)付

経済的な事情で必要な学用品をそろえられないまま入学する子どもがいないように、さらに広げていきたい。

経済的に苦しい世帯に対し、義務教育にかかる費用負担を軽減する就学援助について、今春から入学前支給に踏み切る自治体が大幅に増えている。

入学前支給が実施されれば、入学準備に必要なランドセル代などの費用に充てられるようになり、対象世帯にとっては一時的な出費を抑えることができる。

これまでは、小学校入学前の支給は国の補助を受けられず、自治体負担で実施しなければならなかったが、公明党の提案で国の補助金交付要綱が改正され、今年度から補助の対象に加わった。これを受け、入学前の支給を予定する市区町村は、前年の89団体から711団体(昨年6月時点)へと約8倍に急増した。

ただ、実施率で見れば40.6%にとどまり、約6割の市区町村では入学前支給が実施されない見通しだ。もう一段の普及を進めるべきである。

地方議会では3月にかけて定例会が行われる。入学前支給の実施を予定していない自治体では、なぜ実現できないのか、積極的に議論してもらいたい。公明党議員が先頭に立ち、早期実現への道筋を付けていきたい。

入学前支給ができない理由としては、予算措置や支給ルールを定める条例などの見直しが間に合わなかったり、対象世帯の把握ができなかったことなどが考えられる。有効な解決策を提示できるか、議員力が問われよう。

すでに入学前支給を実施している自治体では、入学前の健康診断の際に案内チラシを配布するなどして、対象世帯を事前に把握する工夫をしている。予算措置や条例などの改正にしても、手続きだけの問題であれば、今からの準備で来年春の実施には間に合うはずだ。

就学援助の対象は、生活保護を受ける要保護世帯と、それに準ずる準要保護世帯であるが、国の補助は要保護世帯のみが対象だ。このため、準要保護世帯分の予算は自治体が用意する必要がある。

財政状況が厳しい中ではあるが、知恵を絞って一歩でも前進させてほしい。

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