この一枚に温もり込めて

公明新聞:2017年10月23日(月)付

ひとり親家庭の親子と、「ガイド」を広げて懇談する藤田議員ひとり親家庭の親子と、「ガイド」を広げて懇談する藤田議員(左)

ひとり親家庭へ「ガイド」
支援制度、一目で分かる工夫
公明議員が発案、実現 4男の母

茨城・牛久市

この一枚で、受けられる支援内容が一目で分かる―。茨城県牛久市はこのほど、ひとり親家庭向けの支援情報をまとめた「ひとり親応援ポケットガイド」を作成し、配布を始めた。提案から実現まで推進してきたのは、女手一つで4人の男の子を育ててきた市議会公明党の藤田尚美議員だ。



「ひとり親応援ポケットガイド」の表紙「見やすくてかわいいね。丸みを帯びた字でひとり親家庭を温かく包み込むようなものができた」。藤田議員は、納得の表情。「冷たい無機質なただの配布物であってはならない」という思いが形になった理想の「ガイド」に仕上がった。

藤田議員ならではの発想だ。自らひとり親になったのは15年前のこと。一番上の長男が小学1年生で、生まれて3カ月の四男まで4人の男の子を抱きかかえるように新生活をスタートさせた。当時は、児童扶養手当の存在すら知らなかった。「どこに何を聞いたらいいのか……。ひとり親になったときは不安しかなかった」と振り返る。

常に生活苦と隣り合わせ。それでも「4人のわが子には、私しかいない」と無我夢中で子育てに、仕事にと奮闘した。約9年、両親の手助けにも感謝しながら、苦闘を続ける最中、公明党の市議会議員に。末っ子はまだ小学4年生。まだまだ子どもに手のかかる時期だったが、「ひとり親家庭、子育て世帯の代表として働かせてもらえるなら」と腹を決めた。

その後、藤田議員は市民に寄り添って活動を続け、“子育ての苦労が分かる議員”と慕われ、頼りにされるように。そうした中、藤田さんと同じく4人の子どもを一人で育てる木村幸子さんから相談を受けた。「行政のさまざまな支援を受けたいが、どこに相談したらいいか分からない。一つにまとまったものがあったら便利」と。藤田議員は早速、担当課に作成を提案。今年3月定例会で進捗状況を聞き、「8月に配布できるよう作業を進めている」との市側の答弁を引き出していた。

同ガイドは、ひとり親家庭が利用できる制度やサービスが一目で分かるように目的別に記載されており、両面一枚を手のひらサイズに折り畳んで持ち運べるのが特徴。学用品や給食費などの一部を援助する就学援助費など、申請しない限り助成されない制度もあり、市こども家庭課の担当者は「ひとり親が受けられる支援を漏れなく受けられるようにするのが目的」と話す。

「一人の声を形にしてくれた。母子手帳に挟んで持ち歩けるなど、私たちへの心配りがにじむ」。木村さんはほほ笑んでいた。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

新聞の定期購読