発達障がい 困難克服へ

公明新聞:2017年9月19日(火)付

通級指導 高校でも制度化
公明主張で18年度から 小・中と同様の支援めざす

発達障がいなどのある児童・生徒が学習・生活上の困難の改善や克服へ、通常学級に通いながら別室で授業を受ける「通級指導」について、文部科学省は2018年度から、高校の教育課程に加える。これまでは、小・中学校のみだったが、ニーズの高まりを踏まえた公明党の主張を受け、高校でも制度化される。初年度となる18年度は、国のモデル事業で試行している23校を含め、「約40都道府県で導入が検討されている」(文科省特別支援教育課)という。

これに伴い、同省の18年度予算概算要求では、高校での通級指導の体制整備に向け、研修事業の充実などが盛り込まれている。

通級指導を受けている児童・生徒数は年々増加し、16年度は公立小・中学校合わせて、10年前の約2.4倍に当たる計9万8311人に上る。義務教育終了後のほぼ全ての子どもが高校へ進学している一方で、支援が必要な子どもは、特別支援学校の高等部などに進学しない限り、困難の改善・克服に向けたサポートを受けながら高校で学ぶのは難しい。

公明党は、高校での「通級指導」の制度化に向けて、浜田昌良参院議員が11年2月提出の質問主意書で、「将来の制度化に向けた検討、モデル校等を活用した実践的な研究を始める必要がある」と訴え、政府から「検討していきたい」との答弁を引き出すとともに、党文部科学部会が積極的に推進してきた。

その結果、文科省は14年度からモデル事業を実施し、その成果も踏まえて、16年12月、高校での通級指導を制度化するための省令などの改正を行った。

これらが施行される来年4月に向けて文科省は同年1月、教育委員会の担当者や教職員に対する説明会を実施する。来年度以降は、担当教員に対し、発達障がいへの理解や通常学級の担任との連携のあり方などに関する研修を進める。

公明党の浮島智子文科部会長(衆院議員)は、「ようやく実現した今回の制度化を契機に、全国各地の高校で通級指導を始める動きが広がるよう、地方議員とも連携して取り組みたい」と述べている。

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