コラム「北斗七星」

公明新聞:2017年3月24日(金)付

「私はバリバリの保守」。昨年、民進党の代表選直前に蓮舫参院議員から出た発言である。当時、同氏が保守政治家を標榜していると全国紙で知り、北斗子は戸惑った。保守主義という言葉の来歴を踏まえ、専門家が再定義する必要はないか。今もその考えがくすぶる◆民進党が27日に結党1年を迎える。この間、夏の参院選に敗北、新代表が誕生した翌月に行われた二つの衆院補欠選挙も勝てず、党勢の低迷が続く。議会制民主主義は、各党が異なる主張や政策を競い合ってこそ機能する。野党第一党が今のままでは、幅広い民意が政治にどこまで反映されるか心もとない◆18世紀の英国の思想家・下院議員として活躍したエドマンド・バークは、あるべき政治家像を示している。選挙区の有権者としっかり結びつき、緊密に連絡を取り、人々の用件に絶えず注意を向ける。自分の休養や楽しみを犠牲にして、有権者に仕えねばならない。しかし、国民全体の利益を考える局面では選挙民の意見に拘束されず、一定の見解と判断をすべきである◆今も語り継がれるブリストン演説の概要である。こうした政治家の集団こそ、人々が望む政党の姿に違いない◆バークは「保守主義の父」の異名を持つ。バリバリの保守政治家が率いる政党を見て、泉下で憮然としているだろう。(明)

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

新聞の定期購読