主張来年度予算案 「1億総活躍」実現へ処方箋示す

公明新聞:2016年12月24日(土)付

「1億総活躍社会」の実現に向け、公明党の主張が随所に反映される内容となった。

政府は22日、2017年度予算案を閣議決定した。折しも同日、16年度の出生数が初めて100万人を割り込む見通しが判明した。人口減少、少子高齢化に直面するわが国が今後も活力を維持し、成長を続けるための処方箋が、予算案に示されている。

中でも、返済する必要のない給付型奨学金の創設が盛り込まれたことは、約半世紀にわたって実現を求めてきた公明党の大きな成果である。家庭の経済状況にかかわらず大学進学を可能にすることは、若者の可能性を広げ、日本の未来を担う人材の育成にも寄与するに違いない。

無利子奨学金の成績基準の実質的撤廃や、発達障がいのある子どもを別室で教える通級指導教員の増員も実現する。

こうした教育施策の拡充は、「未来への投資」が予算案の重要な柱の一つであることを明示しているといえよう。

保育所を増設しても保育士が足りないという現状を踏まえ、保育士の賃金を約2%引き上げるなど処遇を改善する。介護人材の確保に向け、職員の月給を平均1万円引き上げる予算も確保した。保育や介護の現場での人材不足解消の足掛かりとしたい。

「働き方改革」も着実に前進する。長時間労働の是正に向け退社から次の出社まで一定時間を空ける「勤務間インターバル制度」を自発的に導入した中小企業や、非正規社員の正社員化に取り組む企業に対して、新たな助成制度を設ける。

過労自殺の悲劇を繰り返さないことは大前提として、国際的に低いとされる労働生産性の向上を図る上でも、大きな後押しとなることが期待される。

一方、一般会計の総額97兆4547億円のうち、歳入面では税収を26年ぶりの高水準と見込み、新規国債発行額を7年連続のマイナスとすることができた。

1億総活躍の基盤構築や経済の底上げに重点を置きつつも、「財政の健全化に資する」(公明党の山口那津男代表)予算として、財政規律の維持を明確にした点も評価すべきである。

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