受験生の急病に配慮

公明新聞:2016年10月25日(火)付

高校入試で文科省が通知 追試の実施など促す
高校入試の追試 7府県4政令市のみ。その他は当日別室対応

今年2月、神奈川県の中学3年生が、インフルエンザで体調を崩したまま受験した高校入試で十分に力を発揮できなかったことを苦に自殺し、母親も後を追って命を断ったとみられる事件があった。こうした悲劇を二度と起こさぬよう取り組みを求める公明党の主張を受け、文部科学省は14日、高校入試の受験者がインフルエンザをはじめ、急病で体調不良の場合の対応として、別日程の追試験を設けるなど「特段の配慮」を行うよう通知を出した。

通知は、同省初等中等教育局児童生徒課長名で各都道府県教育委員会などに宛てて発信。追試の実施に加え、新型インフルエンザ流行など不測の事態も想定し、中学・高校間の連絡体制構築や問い合わせ窓口設置なども検討するよう求めている。

今回の通知のきっかけとなったのは、公明党の浮島智子衆院議員(当時、文科部会長)による今年3月の衆院文科委員会での質問。浮島さんは、神奈川県での事件を取り上げ、「(別日程の)追試験が認められていたら防げていたのではないか」と指摘し、実態把握と特別措置のあり方の検討を提案。馳浩文科相(当時)から「検討する」との答弁を引き出した。

これを受けて文科省は5月、高校を設置している都道府県や政令指定都市を対象に高校入試における体調不良者への対応を調査。その結果、入試当日の別室対応がほとんどで、別日程の追試験を実施している自治体は7府県4政令市にとどまることが判明した。調査結果を踏まえ、浮島さんは文科省に対し、追試験の実施を促すよう働き掛けてきた。

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