復興加速へ広がる期待 常磐道が全線開通

公明新聞:2015年3月2日(月)付

常磐道の全線開通式典に参加する安倍首相、太田国交相、井上幹事長ら=1日 福島・富岡町常磐道の全線開通式典に参加する安倍首相(前列左から2人目)、太田国交相(右隣)、井上幹事長(同右端)ら=1日 福島・富岡町

首相、国交相、井上幹事長ら
福島の記念式典出席

全線開通した常磐自動車道東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で整備が遅れていた、東北南部の沿岸地域と首都圏を結ぶ高速道路「常磐自動車道」が1日、全線開通した。最初の整備計画が決まった1970年から45年間を経ての実現となった。

最後の未開通区間だった常磐富岡インターチェンジ(IC、福島県富岡町)―浪江IC(同県浪江町)間が開通したことで、宮城県亘理町から埼玉県三郷市の300.4キロが1本の道でつながった。人の動きや物流の活性化が見込まれるため、被災地では復興加速の“大動脈”としての役割が期待されている。除染で出た汚染土を保管する中間貯蔵施設への運搬路にも活用される見込み。

富岡町などで同日開かれた全線開通の記念式典には、安倍晋三首相が出席。太田昭宏国土交通相、高木陽介経済産業副大臣、浜田昌良復興副大臣(いずれも公明党)や、公明党の井上義久幹事長らが同席した。

暫定区間の「4車線化」検討も

式典で太田国交相は、「全線開通によって、企業立地の加速や観光交流の促進、安定的な交通の確保など大きな効果が生まれる」とあいさつ。

また、常磐道のいわき中央IC(福島県いわき市)―仙台東部道路の岩沼IC(宮城県岩沼市)間が暫定2車線であることに触れ、「被災地復興の観点を重視し、4車線化についてしっかりと検討を進める」と強調した。

「希望の道」に感無量

NPO法人「ハッピーロードネット」 西本由美子 理事長

15年前に民間団体を立ち上げ、常磐道の全線開通を求め続けてきたので、本当に感無量。涙、涙です。常磐道に関して公明党には、北側一雄国交相(当時)のころから応援を頂いてきました。

全線開通をきっかけに、福島県の浜通りの復旧・復興の現状を全国の人に見て、感じてほしいです。東北と首都圏をつなぐ常磐道が、若者にとって希望の道となればと思っています。

式典で太田国交相は、「4車線化をしっかり検討する」と力強く述べてくれました。一日も早い実現を期待しています。

漁業再生へ支援 手厚く

新しく完成した小名浜魚市場の施設を視察する井上幹事長ら=1日 福島・いわき市常磐道の開通式典に続き、井上幹事長と真山祐一衆院議員、若松謙維参院議員は、福島県いわき市に新しく完成した「小名浜魚市場」を視察し、県漁業協同組合連合会の野崎哲会長らと懇談した。

これには甚野源次郎、安部泰男両県議と地元市議が同行した。

席上、野崎会長らは、3月末から供用開始される同施設の特徴について「荷さばき場の衛生管理機能が震災前より充実した」と説明。原発事故の影響で、ヒラメなどいわきの主力魚種が水揚げできていない現状や、県外を中心に風評被害が続いている状況を訴えた。

井上幹事長は、「水産業の復興は、水揚げや加工、流通の全体が復旧する必要がある。漁業再生へ引き続き支援したい」と語った。

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