市販薬のネット販売

公明新聞:2013年5月6日(月)付

新たなルールづくりへの取り組みは?

厚労省の検討会が議論しています。5月中をめどに意見を取りまとめる予定

Q 市販薬のネット販売の現状は?

A 医師の処方箋なしで買える医薬品(市販薬)のインターネット販売が1月11日から全面解禁され、それまでネットでは買えなかった風邪薬や胃腸薬などが自由に買えるようになっています。薬のネット販売を禁じた厚労省令を最高裁が「違法で無効」と判断したためで、ネット販売の薬局・薬店は150店舗にも上っています。

政府はネット販売の安全性確保や新たなルールづくりが必要なため、2月に設置した厚労省検討会で論点整理を行い、5月中には新たなルールを取りまとめる予定です。

Q 今までのネット販売規制は?

A 2009年6月施行の改正薬事法で、市販薬を副作用のリスクが高い順に第1類から第3類医薬品の三つに分類。厚労省は省令で、一部の胃腸薬や毛髪薬、風邪薬など第1、2類は薬局などでの対面販売を義務付け、ネット販売を禁止しましたが、現時点では規制がなくなっています。ビタミン剤などリスクの低い第3類は、この段階からネット販売は可能でした。

Q 今後はどうなるの?

医薬品のネット販売のルール決めの流れA 検討会は5月中の新たなルールの取りまとめに向け、論点整理を進めています。

検討会委員からは、さまざまな意見が出ています。ネット販売に対して(1)安心・信頼できる店舗での販売(2)使用者の状態を適切に確認できる方法の確立(3)専門家の確保(4)多量購入の防止―などの論点が出ています。

一方で、安全性確保の具体的な条件も検討中です。例えば、海外では医薬品をネット販売している国が多く、販売業者に厳正な認証制度を設けて不正なサイトとの差別化を図る取り組みも必要です。

Q 公明党の考えは?

A 公明党はネット販売業者が使用者の健康を守る体制を整えているかどうかが重要と考えています。薬剤師がネットや電話を通じて応対する仕組みづくりをはじめ、違法サイトや服用するだけで健康被害を及ぼすような偽造薬の取り締まり、信頼できる業者を見分ける制度の導入も大切です。

薬を購入しやすい利便性と安全性の両立など、ネット販売の新しいルールの確立に努力しています。

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