厚労省の研究継続が決定
公明新聞:2013年4月11日(木)付
脳脊髄液減少症・ブラッドパッチ療法
「治療法、早く確立して」
症例数の収集などで課題も
交通事故やスポーツによる首や腰への強い衝撃によって、重度の頭痛や倦怠感などの症状が現れる脳脊髄液減少症。先月末、厚生労働省は同症の治療に有効とされるブラッドパッチ(硬膜外自家血注入)療法の研究継続を決めた。研究は2013年度からの3カ年計画。新たな診断基準の策定とともに、同治療への医療保険適用へ向けて患者やその家族の期待が高まっている。
保険適用で多くの患者救済を
「正直ホッとした、というのが本音です」。ブラッドパッチ療法に関する研究継続を求め、署名活動に励んできた患者(40歳代男性)は、こう胸をなでおろす。「ブラッドパッチ療法を確立し、医療保険が適用されることは、私たち患者にとって希望そのもの。多くの患者が治療を受けられるよう、一日も早く実現へ結びつけてほしい」
厚生労働省による研究は、07年度から3カ年計画でスタートし、研究の継続は今回で2回目となる。これまで、脳脊髄液減少症の一部にしか適用されない漏出症の診断基準の研究が中心だったが、今後は、漏出症以外の周辺病理についても研究される見通しだ。
仮認定特定非営利活動法人(NPO法人)・脳脊髄液減少症患者・家族支援協会(中井宏代表理事)は、「研究の継続を求めてきた患者やその家族にとって朗報だ。より多くの患者を救う診断基準の策定を願っている」と歓迎している。
また、同治療に詳しい国際医療福祉大学熱海病院の篠永正道教授は、「研究継続は一歩前進だ。同症患者は世界にもいるが、まだ適正な診断基準が確立されていない。今後の研究は、まさに世界が注目している内容だ」と語る。
一方、課題も残る。近年、学校現場で同症の患者が増えているため、患者団体が治療に関する児童用のガイドライン(指針)策定を望んでいるが、今回の研究計画には含まれていない。
また、保険適用を判断する上で重要となる治療症例数の収集について、「医療現場の協力意識が低い」(医療従事者)という現実もある。同協会の調査によると、治療症例数は全国28施設で120~140に達しているが、「(診断基準の正確性を高めるため)今後、より多くの症例を集めることが急務だ」(同協会)という。
篠永教授は、ブラッドパッチ療法への保険適用の重要性について、語気を強める。「患者にとって、もはや待ったなしの状態だ。治療の有用性が実証されつつある今、政治決断が求められている」
ブラッドパッチ療法とは 自身の血液(ブラッド)を髄液が漏れている硬膜の外側に注入して裂け目をふさぐ(パッチ)治療法。これまで治療には約15万円以上の自己負担が発生したが、公明党の推進で「先進医療」に認められたことで、治療費の多くを占める入院費に保険が適用されるようになった。その結果、患者の自己負担額は10万円程度になっている。
公明、国政と地方議会で合意形成リード
公明党は、脳脊髄液減少症で苦しむ患者や家族の声を真正面から受け止め、治療法の確立やブラッドパッチ療法への保険適用などを地方議員と国会議員が一体となって推進してきた。
地方議会では、公明党が合意形成の要役となって、同症に関する「研究・治療等の推進を求める意見書」を全ての都道府県議会で採択。各市議会での採択も相次いだ。さらに、診断基準やブラッドパッチ療法に関する診療指針の策定を求める意見書の採択も進め、同症とブラッドパッチ療法の重要性の浸透に努めてきた。
今年に入ってからも、ブラッドパッチ療法に関する先進医療認定施設の設置や保険適用を求める意見書の採択を推進し、4月9日現在、少なくとも10府県議会と40以上の市議会で採択している。
一方、国会では、06年3月の参院予算委員会で、公明党の脳脊髄液減少症ワーキングチームの渡辺孝男座長(参院議員)が、治療法などの研究推進を要請。これに対し、当時の厚生労働相が「厚生労働科学研究推進事業を通じて関係学会と連携し、適切に対応していく」と答え、同省の研究事業がスタート。その後も、ブラッドパッチ療法の保険適用などの要望を重ねてきた。
渡辺座長は「今なお苦しむ多くの患者がいる。保険適用をはじめ、患者救済へ公明党として全力を尽くす」と話している。]
四面楚歌の中、共に行動してくれたのが公明党
仮認定NPO法人・脳脊髄液 減少症患者・家族支援協会 中井 宏 代表理事
脳脊髄液減少症は、医療現場で「怠け病」や「精神的なもの」と判断されてきた。“誰にも理解されない病”だったため、患者は泣き寝入りするしかなかった。
まさに四面楚歌の患者に対して、どこまでも寄り添い、共に行動してくれたのが公明党だ。
特に、各議会で意見書採択を精力的に進めてくれた公明党の地方議員には、感謝の念に堪えない。各議会で他党議員を説得し、合意形成に努める姿が、どれほど患者にとって心強かったことか。
「公明党の議員は、本当に勉強している」。これが、地方議会の現場を訪れた関係者の感想であり、皆、その勉強熱心さに驚くと同時に、公明党という政党の存在意義に目頭を熱くしている。
ブラッドパッチ療法の保険適用については、今年夏に国が検討し、早ければ14年度から実施される可能性が出てきている。大詰めを迎えた今、公明党のさらなる支援を心から願っている。
公明新聞のお申し込み
公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。


