主張ピロリ菌 除菌の保険適用が拡大

公明新聞:2013年2月27日(水)付

公明が署名・国会質問で後押し 早期治療で「胃がん予防」を

胃がんを引き起こすとされる細菌「ヘリコバクター・ピロリ」(ピロリ菌)が原因の慢性胃炎の除菌治療に21日から健康保険が適用された。

公明党の粘り強い主張が実ったもので、胃炎段階から除菌することで「胃がん予防」につながると期待は大きい。

これまでピロリ菌除菌の保険適用は、症状が進んだ胃潰瘍や十二指腸潰瘍などにしか認められていなかった。しかし、わが国では毎年12万人近くが胃がんと診断され、年間約5万人が亡くなっている。胃がんは、がんの死因では肺がんに次いで第2位だ。

しかも、50歳以上の日本人の45%前後がピロリ菌に感染しているとされ、ピロリ菌が胃がんの発がん因子であることが分かっている。感染者のうち、胃がんを発症するのは0.3%程度との疫学調査もあるが、進行が早いがんもあるため、早期発見が重要だ。

今回、保険適用されたのは製薬企業12社が販売する治療薬で、抗生物質と胃酸分泌を抑える薬だ。検診では血液検査や呼気検査などでピロリ菌への感染を調べ、内視鏡で胃炎が確認されれば、患者は1週間程度、薬を服用することで除菌治療を行う。

これまで、胃炎の治療としてピロリ菌を除菌する場合、全額自己負担で、1人当たり数万円と高額だったが、保険適用によって窓口での支払いが3割負担の人で6000円前後の負担で済む。

公明党が昨年12月の衆院選マニフェストで掲げた「ピロリ菌の除菌を早期段階から保険適用とし早期治療を図る」との公約が早くも実現した。

公明党は、がん対策推進本部(本部長=松あきら副代表)を立ち上げて以来、乳がんや子宮頸がん検診の充実をはじめ、がん治療体制の整備などに成果を挙げてきた。

その一方で、胃がん対策の強化に取り組み、2010年12月に北海道大学特任教授の浅香正博氏を講師に招いてピロリ菌除菌の効果について勉強会を開催。それ以降、松副代表が参院予算委員会でこの問題を取り上げ、同本部事務局長(当時)の秋野公造参院議員が質問主意書や厚生労働委員会で要請を重ねてきた。また、100万人を超える署名簿を厚労相に届けるなど、除菌の保険適用拡大を粘り強く求めてきた。

ピロリ菌の除菌に胃がんの予防効果が高いことは明らかだ。一刻も早く、胃がん検診にピロリ菌検査を追加し、早期発見・除菌を行うことが肝要である。日本から「胃がんをなくす」ため、公明党はさらに力を尽くしていく方針だ。

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