社会資本の寿命長く

公明新聞:2012年12月12日(水)付

吾妻橋の長寿命化工事を調査する山口代表、上野都議=11日 都内吾妻橋の長寿命化工事を調査する山口代表(中央)、上野都議(左隣)=11日 都内

耐震化進め費用抑制
隅田川・吾妻橋 補強工事の現場調査
都内で山口代表ら

公明党の山口那津男代表は11日、社会資本の老朽化対策の実情を探るため、隅田川に架かる吾妻橋(東京都台東区~墨田区)の長寿命化工事の現場などを調査した。上野和彦都議が同行した。

工事を進める東京都の担当者は、都が30年間にわたる橋の管理計画を全国に先駆けて策定したとし、「(維持・管理の)やり方によっては、(寿命を)かなり延ばすことができる」と指摘した。

その上で、架け替えた場合、多額の資金や長い工期が必要となる約200橋を選び、長寿命化を進めていると報告。今の形状の橋に架け替えられて80年以上が経過する吾妻橋を含め、「100年以上、延命化していきたい」と述べた。

山口代表らは、船上から吾妻橋の工事状況を視察。都の説明によれば、橋脚に強度の優れたポリマーセメントモルタルを巻き付けることで、橋脚が厚くなることを抑えつつ、耐震性などを向上。費用は架け替えより、はるかに安いという。

調査を終えた山口代表は「社会資本にしても築いてきたものには価値が残っている。それを後世に生かしていくことは大切だ」とした上で、「机上やデータだけでは実態とずれが出てくる。公明党は実態を目で確かめながら政策をつくっていく」と主張した。

その後、山口代表らは首都高速道路向島線の耐久性向上工事の現場を訪問した。

首都高速道路株式会社の菅原秀夫社長らは、首都高の約5割が建設後30年以上、約4割が40年以上経過し、「かなり老朽化が進んでいる」として、大規模な更新が急務と強調。社会資本の再整備などに10年間で100兆円規模を集中投資する、公明党提唱の「防災・減災ニューディール」に期待を寄せた。

また、天井板が崩落した中央自動車道・笹子トンネルと同構造のトンネルを点検した結果、羽田トンネルで、天井板をつり下げる、つり金具1カ所が破断していたと報告。天井板の撤去工事を年内をめどに前倒し実施する方針を示した。

命守る防災対策に全力
山口代表 先進的な雨水調整池を視察
福岡市

公園の地下に設置された「山王雨水調整池」を視察する山口代表(右)=11日 福岡市公明党の山口那津男代表は11日、福岡市博多区の山王雨水調整池を視察し、先進的な都市部の水害対策について関係者と意見を交わした。

山口代表は、市道路下水道局の井上隆治局長から施設概要や対策の効果について確認。この施設は、運動公園の地下空間を巨大なタンクにし、25メートルプール約83杯分の水をため込める。福岡都市部で甚大な被害が発生した1999年、2003年の2度の記録的な集中豪雨被害を教訓に、設置された。

山口代表は井上局長らに対し、「都市水害に対応する新しい試み。インフラが集中する都市部での防災対策に生かすべきだ」と力説。その上で、党として今後、老朽化した社会資本の補修や整備のための総点検を実施していくことを約した。

視察後、山口代表は「国を挙げた防災・減災対策が必要。『防災・減災ニューディール』など命を守る政策実現に全力で取り組む」と強調した。

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