党首討論 山口代表らの発言(要旨)

公明新聞:2012年11月15日(木)付

野田首相に衆院解散を迫る山口代表=14日 国会内野田首相(右手前から2人目)に衆院解散を迫る山口代表(左)=14日 国会内

公明党の山口那津男代表、自民党の安倍晋三総裁と野田佳彦首相の討論(要旨)は次の通り。

ひるむことなく信を問え 代表
命守る事業を精査し実施 首相

【16日解散】

安倍総裁 (衆院定数の)「0増5減」、定数是正そして憲法違反の状況を解消する。皆さんが賛成すれば、あしたにも成立する。決断してほしい。

野田首相 ここで国民の皆さまに約束してほしい。定数削減は来年の通常国会で必ずやり遂げる。それまでの間は議員歳費を削減する。この決断をいただくならば、私は16日に解散をしてもいいと思っている。

安倍 そもそも定数削減、選挙制度、そしてその前に定数の是正を全然進めてこなかったのは、皆さんの方ではないか。私たちは既に、選挙公約において定数の削減と選挙制度の改正を行っていくと約束している。

山口代表 8月8日の党首会談で2点確認したことがあった。一つは社会保障と税の一体改革関連法案を早期に成立させる。もう一つは「近いうちに国民に信を問う」。一体改革に匹敵する重みのある「信を問う」という約束だったと思う。先ほど首相は16日にも解散してもいいという決意を表されたが、ひるむことなく自らの手で信を問う、解散を実行する。この決意を述べていただきたい。

首相 16日解散、これはぜひやり遂げたいと思う。ただし、特例公債については3党協議を通じて賛同いただいたから安心をさせていただくが、問題は一票の格差(是正)と定数削減だ。これは何としてもやり遂げたい。特に定数削減の比例削減の部分は、修正連用制という考え方をとった法案をきょう提出させていただいたので、ご理解、ご協力をいただきたい。

【定数削減、選挙制度改革】

山口 より民意の反映できる選挙制度を作り上げる中で、定数削減を実現すべきである。一部連用制を含む提案がなされ、傾聴すべき点もあるが、幅広い合意ができるに至っていない。16日に解散するという決断であれば、自民党もその他の政党も含めて合意をつくりあげるのは簡単ではない。「0増5減」の部分については与野党の合意ができるのであれば、選択肢の一つと許容している。

参院ではすでに「4増4減」、抜本的な選挙制度は後日行うという法律を既に可決して衆院に送っている。参院の選挙制度を速やかに衆院で可決して、(衆院の)「0増5減」で合意をつくり、(衆院選の後に)定数削減もやる、選挙制度の改革もやる。それこそが首相の取るべき道だと考えるが、いかがか。

首相 「0増5減」は私どもも賛成をしている。その上で比例の削減部分については、16日までに決断ができるように再考してもらいたい。かつて山口代表は議員歳費の2割削減も主張されたこともあったと思う。(定数を)削減できるまでは、そういう身を切る努力をお互いにするということを約束していただけないか。

【防災・減災対策】

山口 私は議員歳費の恒久的な削減も検討すべしと提案してきた。重要なことは、定数削減を通じて歳出の削減を図っていくこと。国全体の予算は(自公政権の時よりも)民主党政権で8兆円ほど膨れてしまった。もっと大きな歳出削減の議論をこれからやろうではないか。

16日に解散をするならば、民主党の参院の皆さんにも、ぜひ促していただきたい。その上で3党合意に基づいて、消費税の制度設計、例えば軽減税率を導入することや、現下の景気情勢に鑑み、昨年の震災の経験も踏まえ、国民の理解を得られる形で、命を守るための防災・減災対策をやろうと、そういう道に共に進もうではないか。

首相 3党合意で一体改革の関連法案が通ったのは大きな前進だと思うが、まだ道半ばだ。国民会議等を通じて、選挙の結果はどうあれ、互いに協力をしていきたいと思う。防災・減災の話は分かる。命を守る(公共)事業をしっかり精査をしながらやっていきたい。

山口 新たな信を得た政権の下で、その話を進めようではないか。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

新聞の定期購読