iPS細胞 ノーベル賞研究 公明も後押し

公明新聞:2012年10月11日(木)付

自公政権下で科学技術予算を大幅増額

再生医療などへの応用が期待される「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を2006年に世界で初めて作製した京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞することが8日に決まり、科学技術振興の重要性が再認識されている。

マスコミも「山中教授が、iPS細胞の作製に欠かせなかったと振り返るのは、2003年に獲得した研究資金だ。5年間で約3億円が支給され、研究のスピードが一気に加速した」(9日付「読売」大阪版夕刊)などと国の研究支援が果たした役割を報じた。こうした国の手厚い支援の背景には、公明党が自民党などとの連立政権下で勝ち取ってきた科学技術関連経費の大幅増額がある。

公明党は、科学技術振興の重要性を一貫して主張し、連立政権参画前に策定された第1期科学技術基本計画(1996年~2000年度)のもとで17.6兆円だった科学技術関連経費を、第2期(01~05年度)で21.1兆円、第3期(06~10年度)で21.7兆円へと大きく増額させた。

さらに基本計画に、山中教授が取り組んできたような基礎研究の充実と、iPS細胞研究に代表される生命科学分野などへの重点投資を盛り込んだ。これらは現在の第4期基本計画(11~15年度)にも受け継がれている。

公明党科学技術委員会の浜田昌良委員長(参院議員)は「資源が乏しい日本にとって、科学技術への投資は極めて重要だ。今回の受賞を弾みに、研究者が安心して充実した研究を国内で継続できるよう支援の強化に取り組みたい」と語っている。

「iPSストック」第1号  今年度内にも作製
山中教授ら


体のあらゆる細胞になることができる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発し、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった山中伸弥京都大教授らの研究チームは、多くの人の治療に使えるiPS細胞をあらかじめ用意しておく「iPS細胞ストック」の第1号を、早ければ今年度内に作製する。1人分で日本の人口の20%程度に対応できるといい、将来は80%以上をめざす。

iPS細胞は患者自身の皮膚などから作れるため移植しても拒絶反応は起きないが、作製には時間と費用がかかる。脊髄損傷の場合、けがをしてすぐに細胞を移植すれば効果があるが、患者の皮膚からiPS細胞を作ると、神経細胞に変えて増やすまで数カ月かかってしまう。

ストックは、白血球の型が特殊で、細胞を他人に移植しても拒絶反応が起きにくい人の皮膚や血液を少量採取してiPS細胞を作っておき、治療に備える仕組み。山中さんは受賞決定後、最大の課題の一つに挙げている。

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