「子育て安心県」めざす

公明新聞:2012年10月4日(木)付

18歳以下の医療費無料化を喜び合う小野議員と渡辺さん親子=3日 福島市18歳以下の医療費無料化を喜び合う小野議員(右)と渡辺さん親子=3日 福島市

1日から福島県で18歳以下の医療費無料化

福島県では1日から東京電力福島第1原発事故に対する県民の不安に応えようと18歳以下の子どもの医療費の無料化が始まった。対象は同県内に住民票を残し県外に避難している1万8000人を含め33万5484人(9月1日現在)。この新制度は、公明党がリードし、今年3月に成立した福島復興再生特別措置法に基づくもので子育て世代から喜びの声が上がっている。

復興担う未来っ子守る
公明、新制度創設に尽力


「部活でケガしたり高校生になっても医療費はかかるよ、と姉から聞いていたので、うれしいですね」

福島市に住む渡辺ゆう子さん(39)は、新制度への意見を聞きに訪れた公明党の小野京子市議に喜びを語った。渡辺さんは、中学校1年生の一喜君(13)を先頭に、芽萌里ちゃん(12)、大望君(9)、陽成君(5)の4人を子育て中。

「医療費がかからないことは、いざという時に安心。この子たちが高校生になるまで無料化を続けて」と小野議員に訴えた。

一方、同県大熊町から埼玉県川口市に2人の子どもと避難している前川梢枝さん(33)は「子どもの健康不安を抱えている中、医療費の無料化は子育て世代にとって大助かりです」と話す。その上で、「今の子どもだけでなく、これから生まれてくる子どもへの支援もお願いしたい。将来もサポートがあることで、子どもを産もうとするお母さんたちの不安を軽くできる」と望んでいる。

今回の新制度は、小学校4年生から18歳以下の子どもを対象に県が全額補助する「子どもの医療費助成事業」。県の市町村が既に実施している小学校3年生までの医療費助成と組み合わせることで18歳以下全員の医療費が無料となる。国が交付した「原子力被災者・子ども健康基金」や東電の賠償金などで県が創設した「福島県民健康管理基金」が財源。県は、市町村のシステム改修費1億円と2012年度の予算として13億円を計上している。

同県保健福祉部の宍戸志津子児童家庭課長は「福島は日本一、安心して子育てできる県をめざしている。その象徴的事業として子育て環境の充実を図りたい」と強調。

また、宍戸課長は、震災に伴う医師、看護師不足や医療現場の多忙化といった課題を踏まえ、「かかりつけ医を決めたり、複数の医療機関を受診することがないよう、学校を通じ、適正受診を呼び掛けている」としている。

県高等学校PTA連合会の関根英樹会長は「福島の復興と発展を担う子どもたちの健康を守り、不安を和らげる仕組みとして長く続けてほしい」と期待している。

医師不足の解消も
渡辺孝男参院議員


原発事故に伴う、子どもの健康不安に応えようと公明党は、国の直接支援による18歳以下の医療費無料化を粘り強く訴えてきた。

この結果、福島復興再生特別措置法に国の責任が明記され、財政支援が担保された。さらに参院厚生労働委員会で、県の基金の状況に応じて国が長期的に財政支援することを確認した。今後は、県内の医師、看護師不足の解消と全国で18歳以下の医療費が1割負担で済むよう取り組みたい。

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