「諦めないでよかった」
公明新聞:2012年9月15日(土)付
「私たちに寄り添い続けてくれた公明党」
「希望を捨てずに諦めないでよかった」―。8月29日に「カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律」(カネミ油症救済法)が成立したことを受け、カネミ油症五島市の会(矢口哲雄会長)と同被害者支援センターの石澤春美共同代表らが13日、衆院第1議員会館を訪れ、同法制定を主導した公明党の坂口力副代表に喜びの声を届けた。木庭健太郎・党カネミ油症問題対策プロジェクトチーム座長(参院議員)が同席した。
カネミ油症は1968年、カネミ倉庫(本社、北九州市)製の食用米ぬか油に、猛毒のダイオキシン類であるPCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)などが混入して、西日本一帯で1万4000人が食中毒被害を訴えた国内最大規模の食品公害。根本的治療法はなく、今も多くの被害者が健康被害に苦しんでいる。
同法は、国が患者を対象に健康実態調査を当面、毎年行い、協力した患者らに国とカネミ倉庫が支援金などの名目で、1人当たり年間24万円を支給することが柱。また、現在約1370人の認定患者に加え、同居家族で認定・未認定に分かれる現行の認定基準を見直し、認定患者の拡大を図る。
坂口副代表が超党派議員連盟会長として同法成立を主導し、今回、初めて被害者の公的救済が立法化された。
冒頭、感謝の意を込め坂口副代表に花束を手渡した矢口会長。「坂口さんが厚生労働相の時に、ダイオキシンが主原因であると初めて述べてくれたことで、私たちに対する世間の目は大きく変わった。多くの人の力添えがあったが、その基になったのはあの言葉だった」と語ると、参加者全員から拍手と歓声が上がり、うれし涙を浮かべる人もいた。
公明党は、かねてから同油症の救済策を強力に推進。患者団体や関係者らと意見交換を重ね、油症認定の診断基準の見直しや、国が患者側に支払った損害賠償仮払金の返還免除などを実現してきた。
石澤共同代表は、救済へいち早く立ち上がってくれたのが公明党だったとし、「いつも丁寧に応対し、私たちに寄り添い続けてくれた」と振り返った。
40年以上にわたり差別や偏見、皮膚の黒ずみ、内蔵疾患など耐え難き苦悩があったことを話す被害者らは「長い闘争の果てに、きょうという日を迎えることができた。本当に感謝している」と安堵の表情を浮かべた。
一方、根本的治療法の確立や次世代への影響調査・救済策など、残された課題に対し、さらなる支援を求める声も。
坂口副代表は「必ずしも満足のいく救済の形ではなかったかもしれないが、一つの区切りは付けることができたのではないか」と指摘。その上で、今後も党を挙げて、被害者救済に取り組む決意を述べた。
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