衆参委員会で議論

公明新聞:2012年8月23日(木)付

歩行者優先の理念を
交通基本法案で参考人見解
高木(美) さん質疑


質問する高木(美)さん=22日 衆院国交委衆院国土交通委員会は22日、交通基本法案に関する参考人質疑を行い、公明党から高木美智代さんが質問に立った。

高木さんは車優先の社会から歩行者優先の交通体系の整備・徹底が急務だと主張。基本法にこれらの理念を位置付けるべきではないかとして、参考人の見解を求めた。新潟県三条市長の國定勇人参考人は、「歩行者優先、自転車優先の理念が何らかの形で示されることは、基礎自治体にとって施策を展開しやすくなり、力強い後押しになる」と答えた。

また同法案の修正について高木さんは、「国民の命と身体の安全を守ることが本来の趣旨でなければならない」と述べたのに対し、都市交通評論家の亘理章参考人は「その案で賛成だ。追加修正してほしい」と応じた。

さらに高木さんは、都市計画と交通計画の一体的な検討の必要性を強調。亘理参考人は欧州では両計画が一体的に機能しており、「真剣に取り組んでいる町は人口が増加している」と紹介した。

公的支援の指針必要
JAL問題で富田氏 政府の監督責任を追及


質問する富田氏=21日 衆院国交委衆院国土交通委員会は21日、日本航空(JAL)の企業再生をめぐり参考人と政府に対する質疑を行い、公明党の富田茂之氏は、公的支援を受けた航空会社が競争環境を不適切にゆがめないために「企業再生と公的支援に関するガイドライン(指針)が必要だ」と訴えた。

富田氏は昨年3月に会社更生計画が終了し、JALが民間企業に復活する直前に不透明な追加増資を受けたことを追及。疑惑の根本原因として、監督する立場にある企業再生支援機構の最高責任者と、JALの職務執行者で後に社外取締役になった執行サイドの実質的トップが同一人物だった点を指摘した。

参考人の小野展克・嘉悦大学准教授は「利益相反の観点から問題だった」と主張。「なぜ内閣府はきちんと監督しなかったのか」と富田氏がただしたのに対し、大串博志内閣府大臣政務官は「公正性を担保する上で(支援機構は)複数の管財人にした」などと述べるにとどまった。

火力発電の輸出促せ
新千歳空港 乗り入れ制限緩和せよ
参院決算委で加藤、横山氏


質問する加藤(右)、横山氏=22日 参院決算委22日の参院決算委員会で公明党の加藤修一氏は、東京電力福島第1原子力発電所事故が起きたにもかかわらず、政府が7月末に閣議決定した「日本再生戦略」で、原発輸出を積極的に進めていく方針を示している問題を追及した。

その上で加藤氏は、原発ではなく、火力発電の輸出を促す必要性を指摘し、「新興国に(日本の優れた火力発電の)設備、技術を積極的に展開していくべきだ」との考えを強調した。

これに先立ち、公明党の横山信一氏は、北海道の新千歳空港が航空自衛隊の千歳基地と隣接しているため、安全保障上の理由から、外国航空会社の便の乗り入れを制限している問題に言及。北海道が景気低迷に苦しむ中、「成長の見込まれる東アジアの外国人をいかに呼び込むかが地域の大きな課題」として、「乗り入れ制限の緩和に工夫の余地はないのか」と迫った。

これに対し、森本敏防衛相は「乗り入れ枠が拡大できるよう配慮し、要請に応じられるよう努力したい」と答えた。

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