外国人看護師

公明新聞:2012年8月15日(水)付

試験時間を1.3倍に延長
厚労省通知 全ての漢字に振り仮名も
古屋さん提案

厚生労働省は1日、経済連携協定(EPA)に基づいて来日した外国人看護師候補者の国家試験について、試験時間の延長と全ての漢字に振り仮名を付ける特例措置を決め、関係機関に通知した。試験時間は現行の午前、午後それぞれ2時間40分から、1.3倍の3時間30分に延長される。来年2月の試験から実施する方針。

看護師不足などへの対応として、日本では2008年からインドネシアとフィリピンの看護師、介護福祉士の候補者を受け入れている。これまでに1300人を超える候補者が来日しているが、看護師の場合、3年以内に日本の国家試験に合格できなければ帰国することになる。母国で資格や経験を持つ人であっても、専門用語の日本語表現は難解で、09年の看護師試験の合格率は1.2%と、日本人の90%を超える合格率に比べると極端に低かったことから、日本語が不自由な外国人受験者の合格率低迷が問題視されていた。

公明党の古屋範子衆院議員は、国会質疑の中で外国人受験者の言葉の壁によるハンディキャップを改善すべきだと主張。これを受けて厚労省は、省内に検討チームを設置し、11年の試験から難しい漢字に振り仮名をつけたり、疾病名に英語を併記するなどの対応を行った。この結果、今年の試験では415人中47人が合格し、合格率も11.3%まで上昇した。

その後も古屋さんは、今年4月13日の衆院厚労委員会で、これまでの改善策を評価した上で、(1)全ての漢字に振り仮名をつける(2)試験時間を延長する―など、より踏み込んだ改善策を提案。「小出しに改善策を出すのではなく、もっと実効性のある思い切った改善策が必要だ」と訴えていた。

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