野党に責任転嫁せず首相が明示を
年金具体案から逃げるな
公明新聞:2012年1月28日付
衆院代表質問
民主党の社会保障制度改革の全体像について、今回も野田首相から具体的な明示はなかった。
27日の衆院代表質問で公明党の井上義久幹事長は、消費増税を明記した政府・与党の社会保障と税の一体改革素案に最低保障年金などが含まれていないことを指摘し「実現にあと何%の(消費税)引き上げが必要なのか」と厳しく迫った。
しかし、首相は新年金制度は今後、民主党内で検討していくとし、「相当長期の移行期間を要するため、消費税率の引き上げ幅に影響を及ぼすほどの大きな追加財源が必要になるものではない」と逃げの答弁に終始した。
公明党は民主党の与野党協議の呼び掛けに対し再三、「社会保障の全体像を示すべきだ」と訴えてきた。そうでなければ、後で整合性が取れなくなり、結局、議論をやり直すことになるからだ。
公明党は既に一昨年12月、年金、医療、介護などの現行制度の機能強化などを示した「新しい福祉社会ビジョン」をまとめている。公明党は協議の準備ができている。
だが、呼び掛ける側の民主党がマニフェストに掲げる最低保障年金の具体案を示さないままでは、どれくらいの財源が必要なのか分からない。
まさに、社会保障制度を“家”に例えれば、どれだけの改築を行うのか、それとも全面的に建て直すのかなど、具体的な改革の姿を何一つ示さないまま、費用だけ先に請求しているようなものである。これでは国民が納得できるはずがない。
井上幹事長が「もうこれ以上、逃げ続けることは許されない」と鋭く指弾し、「年金抜本改革の具体案を早急に提示するか、潔くマニフェストの非を認め国民に謝罪するかの二つに一つだ」と決断を促したのも、このためだ。
このほか、代表質問で井上幹事長は総合的な復興・成長戦略と集中投資によって被災地の雇用創出を図る「震災版ニューディール政策」を提案するとともに、原発事故で甚大な被害を受けた福島県の18歳以下の医療費無償化などの被災地支援や、中小企業金融円滑化法の期間延長、がん検診無料クーポン事業の恒久化なども求めた。いずれも緊急かつ重要な提案だ。
先の施政方針演説で野田首相は、協議に応じない野党への責任転嫁に終始した。だが、本気で政治を進めようというのなら、真摯な姿勢で社会保障の全体像を示し、首相自ら協議できる環境を整えることから始めるべきである。
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