東日本大震災の被災地から
被災者と誓いの出発 井上幹事長、渡辺参院議員ら
福島・相馬市
“希望の春”はきっと来る!
公明新聞:2012年1月1日付
復興へ絆も固く
2012年が始まった。だが、東北の被災地では例年とは違い、年明けを仮設住宅で迎えた被災者がいる。「一日も早い復興を。今年こそは平穏に」と願わずにはいられない。
震災や津波に加え、原発事故が暗い影を落とした福島県。地震と津波による被害家屋が5400棟以上に上る同県相馬市では、いまだに約3800人が避難生活を強いられている。それでも、人々は明日への灯を絶やさず、復興への絆を懸命に紡いでいく。
阿部新太郎さん(70)と洋子さん(65)夫妻。巨大津波が自宅とともに、消防団員だった息子の命を奪った。悲しみに暮れ、眠れない日もあった。「心休まらない避難所生活は、本当に苦しかった。仮設住宅に移った時は、わが家に帰ってきたようで涙が出るくらいうれしかった」と振り返る。
6月には、再起の希望となる孫が誕生した。また、全日本写真連盟による家族写真の撮影会に参加。「新出発の記念の一枚にしたい」と笑顔で納まった。その時に着たセーターは、ボランティアの音楽家と親しくなりもらったもの。「これも絆の証しだから」と選んだ。
目黒藤子さん(65)も絆を大切にする一人だ。仮設生活を始めて間もなく、犬を飼った。「寂しさを紛らわす話し相手になる」と“同居人”にほほ笑む。震災後、カメラが趣味に。「幸福の国」と称されるブータンの若き国王夫妻が相馬市を訪れた際には、直接、激励された。撮った写真を見詰めて気持ちも一新。「生かされた命だから」。毎月、節目の11日前後に被災地の写真を撮り、後々まで語り継いでいきたいと決意している。
昨年の師走、相馬市の柚木仮設住宅に、公明党の井上義久幹事長(東北方面議長)と渡辺孝男参院議員(同代理)らが訪れ、住民と膝詰めの懇談会が行われた。
同住宅の組長、鈴木陽一さん(74)が「家屋の土地の買い上げも含め、生活再建の見通しを早く示して」と話せば、ある女性は「放射線の影響で、復興が全く進まない。原発事故に苦しめられる痛みを分かってほしい」と涙ながらに訴えた。
じっと耳を傾ける井上幹事長。交わした言葉を確かめるように一人一人の手を取る。痛いほど分かる思いに、口元を引き締めた。
「負げでらんねえ。新しい相馬は、おれらがつくるんだ」。取材の最中に、ある男性が語ってくれた。英国の詩人シェリーの言葉を思い起こす。「冬来たりなば春遠からじ」。そう、“希望の春”はきっと来る!
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