復興基本法公明案について
石井政調会長に聞く
「人間の復興」を前面に
公明新聞:2011年5月22日付
組織=復興庁、財源=復興債、手法=特区 を明示
被災地の要望実現へ 総合的な体制が不可欠
公明党は19日、東日本大震災からの復興に向けた基本理念や組織体制などを定める「復興基本法案」の骨子を発表しました。そのポイントや、政府案との相違点、今後の取り組みなどについて、石井啓一政務調査会長に聞きました。
現状追認で中身ない政府案
公明案具体化へ修正協議も
—公明党案のポイントは。
石井啓一政務調査会長 未曽有の大災害となった東日本大震災の復興に取り組む基本理念として、「人間の復興」を前面に打ち出しました。「人間の復興」とは、都市や産業、インフラ(社会基盤)などの復旧・復興のみならず、憲法に定める「幸福追求権」や「生存権」を念頭に置き、被災者の皆さま一人一人に焦点を当てた復興をめざす考え方です。
その上で、復興を一元的に担う組織「復興庁」の設置、復興の財源「復興債」の発行、復興への具体的な手法「復興特区」の創設を盛り込みました【表参照】。組織と財源、手法の3点セットで復興に向けた全体的な取り組みを示しました。
—特に公明党は「復興庁」創設を一貫して訴えてきました。
石井 被災した地方自治体の首長から「たとえ道のりが長くなっても復興を確実に進める新しい省庁をつくってほしい」との要請を受けていました。
しかも、今回の大震災で甚大な被害を受けた地域は、町全体をつくり直すことになるので、復興には総合的な取り組みが不可欠です。「都市計画は国土交通省、農地や森林の整備は農林水産省」などといった省庁の縦割りを排し、事業を一元的に実施できる権限を持つ「復興庁」が欠かせないと考えます。
—「復興債」「復興特区」の具体的な内容は。
石井 巨額の復興財源が必要になる一方で、財政状況が今以上に厳しくなる懸念も生じかねません。このため、従来の国債と別勘定にした「復興債」を発行し、償還(返済)の期限や財源を分けて考えることを提案。次世代に負担を先送りしない方法を検討し、財政規律に配慮することとしました。
「復興特区」は、従来の特区制度より充実した形で規制、金融、税制、財政の全てに特例を設けるのが特徴です。さらに県だけでなく、市町村単位でも特区を申請できるようにし、地域のニーズ(要望)に合致した形で自主的な取り組みを国が後押しできる制度を提案しています。
—19日に衆院で審議入りした政府案、自民党案との違いは。
石井 政府案は新しい何かがあるわけではなく、現状の取り組みを法的に追認するものに過ぎません。首相を本部長とする「復興対策本部」を置くと言いますが、今やっていることと何も変わりません。復興のための財源や手法も明記せず、中身のない法律です。
また、「復興庁」について法律の付則に「1年後をメドに検討」という趣旨の記述がありますが、その「検討する復興庁」は企画・立案・総合調整のみ。施策を一元的に実施する権限を持ちません。これでは縦割り行政が解消できず、地域のニーズに沿える「復興庁」にはなり得ません。
一方、自民党案は、私たちの主張する「復興庁」に近い「復興再生院」の設置を盛り込んでいます。ただし、基本計画について、まず国が策定した上で地方自治体がつくることとし、国の関与が強い形になっています。公明党案では、基本計画はあくまで地方自治体ごとにつくり、それを国が支援する考え方に立っています。ここが大きな相違点です。
—公明党の主張をどう具体化しますか。
石井 予算を伴う法案を国会に提出する場合、衆院では50人以上の同意が必要という制限があり、公明党は今回、法案骨子の発表という形を取りました。公明党の主張を具体化するためには、今提出されている法案を修正することが現実的な取り組みです。今週から本格的な審議が始まる衆院の復興特別委員会で積極的に修正を働きかけていきます。
復興基本法案もそうですが、被災者の皆さまに明日への希望を持っていただくため、復興に向けた本格的な第2次補正予算案の今国会提出を政府に迫っていきます。同時に、目の前の生活再建や復旧をどうするかが喫緊の課題です。
公明党は被災者の皆さまに寄り添い、政府に対して仮設住宅の一日も早い建設をはじめ、きめ細かな対策の実施を粘り強く要請していきます。
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