公明党が推進 保険適用、医師研修も開始へ
新たなうつ病治療に期待
公明新聞:2010年4月28日付
認知行動療法
日本人の約15人に1人が罹る「うつ病」。日本の自殺者は年間3万人を超えているが、うつ病はその大きな要因の一つであり、深刻な社会問題にもなっている。
こうした中、新たなうつ病治療として「認知行動療法」が注目を集めている。
2010年度の診療報酬改定で、この4月から同療法の評価が新設(1日420点)され、健康保険の適用になった。さらに、今夏から同療法の実施者を養成する研修も精神・神経医療研究センター(独立行政法人)で開始される予定だ。うつ病対策の一歩前進と評価したい。
うつ病に罹る人は、一般的に自己に否定的な思考を持つ傾向があり、ものごとの捉え方や解釈も否定的(認知の歪み)になりやすい。そのため不快な感情を増大させてしまう。認知行動療法は、患者自身にその歪みを気付かせ、修正していくことで、不快な感情を改善していく精神療法だ。薬物療法と併用すると効果が高いとされている。
同療法は、うつ病のほか、不安障害、統合失調症などの精神疾患に対する治療効果・再発予防効果を裏付けるデータも数多く報告されている。
治療は、1回30分以上の面接を原則16~20回実施。患者は面接で話し合ったことを実生活で検証していく。具体的には、患者の思いこみやクセなどを医師とともに「科学者」のように検証し、自宅では、それを修正し、改善する練習を"宿題"として行う。
同療法は1970年代に米国で開発されて以来、欧米を中心に世界的に広く使用されるようになった。精神疾患以外でも、日常のストレスや夫婦問題など、適用範囲は広がりを見せている。
同療法については、公明党の「うつ対策ワーキングチーム(WT)」が医療現場の視察を重ねた結果、「薬物療法と、認知行動療法などの精神療法との併用を普及させる」などの「総合うつ対策」をまとめ、その実現を政府に申し入れた。その結果、今回の実現に至ったものだ。
ただ、医師の研修は始まるが、現状では同療法ができる医師が少ないという課題がある。同WT事務局長の浜田まさよし参院議員(参院選予定候補=比例区)は厚生労働省に対し、「認知行動療法を希望する人は多く、どこで受診できるのか、ホームページなどを活用して情報を公開し周知徹底することが必要」と強く要請している。
政府は、医師の養成とともに、患者や家族の側に立った万全の対応を急ぐべきだ。
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