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主張法科大学院の将来開く議論を

公明新聞:2010年3月8日付

「大きな司法」実現めざす検討が必要

法曹の養成

 「明治維新以来、これほど学生が勉強をしている時はない」??これは、2004年9月に都内で開催された「法科大学院シンポジウム」で語られた法科大学院教員の感想である。

 法科大学院はその年の4月にスタートしたばかり。21世紀の新しい法曹(裁判官、弁護士、検察官)になる1期生としての高揚感が伝わってくる。

 法科大学院による法曹養成は、01年から始まった司法制度改革で実現した。誰でも受験可能な司法試験による「一発勝負型の登用」は、法科大学院の卒業生だけを対象にした新司法試験による「プロセス重視型の登用」に改められた。医学部卒業生が国家試験に合格し医師になるのと同じで、法科大学院生も確かな目的観を抱いている。

 それから約6年、法務省と文部科学省は「法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム」を設置、今月1日に初会合を開いた。今年半ばを目途に一定のまとめをする。法科大学院を中核とする法曹養成の「問題点・論点を検証し、これに対する改善方策の選択肢を整理する」ことが設置目的にされている。

 検討の背景には、当初の見込み外れがある。構想では、法科大学院卒業生の7?8割が新司法試験に合格でき、年間合格者も1000人から着実に増やし、昨年の試験で最大2900人にする予定だった。しかし、昨年の合格率は約28%、合格者数は2043人に留まった。

 その理由として、「法科大学院が74校もあり入学定員が多すぎる」「教育内容が合格レベルに達していない」などと法科大学院側の努力を求める意見がある。昨年4月に公表された「中央教育審議会法科大学院特別委員会報告」も、合格者数の極端に少ない大学院に見直しを迫るなど厳しい内容だった。さらに、弁護士会からは、政府がめざす年間3000人の合格者数は多すぎるとの意見が出ている。

 しかし、このような一方的な視点だけでは、この新しい法曹養成制度を成功させることはできない。

国家戦略の問題

 司法制度改革によって日本は、行政優位の「事前規制型社会」から、公平なルールの下で自由な競争をし、紛争が起きたら司法の場で解決する「事後チェック型社会」への転換が進められた。経済の競争力を向上させるための改革でもあり、国際的な民事紛争にも対処できる「大きな司法」の確立が必要となる。多様な人材をどれだけ法曹界に輩出できるか??まさに国家戦略の問題として取り組むべき課題である。

 法科大学院側はすでに入学定員の見直しを進めている。同時に、中国、韓国の法律家に日本法を教える場として法科大学院を活用すべきとの積極的な考え方もある。政府は今回の検討に当たり、法科大学院の将来を開くため、法曹人口拡大の構想を明確に示し、法科大学院が挑戦している新しい法学教育を尊重する必要がある。

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