要旨
山口代表の参院代表質問
公明新聞:2010年2月4日付
公明党の山口那津男代表は3日、参院本会議で、鳩山由紀夫首相の施政方針演説などに対する代表質問を行った。要旨は次の通り。
鳩山首相の政治姿勢
「いのち守る」具体策なし
鳩山内閣となって初めての施政方針演説。私は、総理の「友愛」の思想に基づく具体的かつ率直な政策が、総理の口から聞かれるものと強く期待していました。
しかし、結論から申し上げれば、その期待は裏切られました。
二つ理由があると思われます。
総理は、施政方針演説の中で、「友愛」ではなく「いのちを守る」というキーワードに代わっていたものの、24回も「いのちを守る」と言われました。
「いのちを守る」??実に重みのある言葉です。だからこそ、鳩山内閣が具体的に何をしようとしているのか、それが聞きたかった。しかし言葉が上滑りして、それに伴う具体策がありませんでした。
これが第1の理由であります。
第2の理由は、総理自身の姿勢の問題、率直に申し上げれば、政治とカネで何も語ろうとしない、国民との「信頼」の問題であります。
いくら、美辞麗句を並べても、国民から信頼されない総理の言葉は、やはり信用されないのであります。
まさに、政治家に問われているのは、総理が演説で言われた「まず国会議員が範を垂れる」ことであります。信頼を回復する努力であります。
総理。なぜ、演説の冒頭で、きちんと政治とカネの問題について、国民に説明をされなかったのか。演説の中で触れられたのは、わずかに2行だけ。しかも、「ご批判を真摯に受け止める」と言うだけで、国民に対しては、何の説明もありません。問題は受け止めた後、自らどうするかです。
民主党をはじめとする与党の皆さんは野党時代、舌鋒鋭く政権党の「政治とカネ」の問題を追及していたではありませんか。立場が逆になった途端にだんまりを決め込む、これでは、信を託した国民への裏切りそのものではありませんか。総理の答弁を求めます。
政治とカネ
納得できない“秘書任せ”
まずは、「政治とカネ」の問題から質問します。
総理の偽装献金問題や小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体の土地購入問題は、現職国会議員を含む元秘書らが逮捕される由々しき事態です。
総理はお母さまから、毎月1500万円、総額12億6000万円にも上る贈与を受けていた、あなたの言を用いれば、これこそ「労働なき富」ではありませんか。そして、「秘書に任せていたから、もらったこと自体を知らなかった」、さらに、「何に使ったのかも知らなかった」との答弁を繰り返しています。
しかし、「知らなかった」で済まされる金額ではありません。お金の「入り」も「出」もすべて秘書任せ、まして何に使ったかも説明しない、それで国民にどう納得しろというのでしょうか。
総理。自らの不明を恥じるというのなら、まず何に使ったかというところから、説明すべきです。答弁を求めます。
また、小沢幹事長の資金管理団体による土地購入疑惑についても、捜査中であることを理由に民主党はまったく自浄能力を果たしていません。
民主党の現職の国会議員が逮捕されたのです。代表たる総理は、自らリーダーシップを取って、自浄能力を発揮させるべきではありませんか。お答え下さい。
そして、小沢氏が「潔白であると信ずる」というのなら、総理にはその根拠を国民に示す責任があります。ただ「同志だから」というのではあまりにも、国民を愚弄しています。総理、明確に国民に説明して下さい。
いずれにせよ、「秘書に任せていたから知らなかった」との説明で済ませるのではあまりに無責任。政治家本人の責任を問う新たな仕組みが必要です。
公明党は、秘書などの会計責任者が虚偽記載などの違法行為を行った場合には、監督責任のある議員も公民権を停止する政治資金規正法改正案を昨年提出しています。
総理、まずはこの通常国会で、政治家の監督責任を強化する法改正を実現することこそが、あなたが引き起こしたような問題の再発を抑止する仕組みになるのです。その実現に向けて国民に明快な決意を述べて下さい。
併せて、企業・団体献金を禁止する法改正にも踏み込むべきだと考えますが、いかがですか。
経済財政運営
成長促す道筋 全く見えず
次に、平成22(2010)年度予算案について申し上げます。
鳩山内閣として初めての本予算案は、民主党マニフェストの実現のため、予算規模は大きく膨らみ、一般会計で92兆3000億円と当初ベースで過去最大となりました。
しかも、世界経済危機に伴う景気の悪化で、税収が激減したこともあり、新規国債発行額は44兆3000億円まで膨らみました。
一方、事業仕分けによる歳出削減額は1兆円、独法の基金返納などの一時的な歳入を含めても2兆円程度にとどまり、平成23年度以降の恒久的な財源は、ほとんど捻出されなかったのであります。
鳩山総理自身、当初マニフェストに必要な財源7兆円は、ムダ遣いの見直しで確保するとしていましたが、達成できませんでした。民主党が言うように予算の組み替えがなされていれば、44兆円もの国債発行にはならなかったはずです。
総理、そもそも見通しが甘かったと、率直に認めるべきではありませんか。明確にお答え下さい。
また、菅財務大臣は財政演説の中で、「国債増発に依存することなく、必要な財源を確保している」と話されましたが、私には言い訳にしか聞こえません。
数多くのマニフェスト違反・修正によって22年度は何とかつじつまを合わせたものの、23年度以降はどうなるのか、はなはだ疑問であります。
さらに、総理は、施政方針演説の中で「景気の二番底には陥らせない決意」として第2次補正予算と22年度本予算案により、「切れ目ない景気対策を実行する」と述べられました。
何が「切れ目ない景気対策」ですか。
第1次補正予算を凍結した揚げ句、何ら有効な手を打つことなく、私たちの主張していた凍結解除に応じず、ずるずると年明けまで第2次補正予算提出を先延ばししたのは、一体どの内閣でしょうか。
そもそも、来年度予算案のどこに、経済成長を積極的に促す策があるのでしょうか。政府は、本予算案を編成した後の昨年12月30日に、新・成長戦略の基本方針を発表しました。しかし、目標達成への具体的な道筋は、依然示されないままであります。
また、財政健全化への道筋も全く示されていません。
特に、今後、社会保障の在り方をどうするのか、貧困・格差の是正に、どう対策を講じていくのか、まさに歳出・歳入の在り方全体についての明確なビジョンを打ち出すべきではありませんか。
公明党の新ビジョン
さて昨年、公明党は今後めざす社会の方向性を「山口ビジョン」として発表しました。
「新しい福祉・教育・平和をつくる公明党」と題したこのビジョンでは、日本の未来を見据えた「地域で支える協働型福祉社会」「子どもの幸福を最優先する社会」「核廃絶・平和・環境で世界に貢献」を「3つの挑戦」として、掲げました。
バランスよい自助、共助、公助
協働型福祉社会
まず地域で支える「協働型福祉社会」です。
日本は今、人口に占める65歳以上の割合が22%に達し、急速に超高齢社会へと突き進んでいます。
私は、年金・医療・介護・子育ての各分野で、きめ細かなサービスの仕組みをつくり、その上に地域の実情に合った「協働型福祉社会」を築くべきだと思います。「協働型福祉社会」は、個人が自立して生活する自助、地域住民の連帯でお互いを支え合う共助、行政などによる公助がバランスよく効果を発揮する社会であり、総理が施政方針演説の中で強調された「新しい公共」と、理念の上で相通じるかもしれません。
介護
その中で今、最重要の課題の一つは介護の力をどう築くかです。
2025年には高齢化率30%という人類が経験したことのない超高齢社会を迎える中、公明党は、介護基盤の整備目標を示す新たな「介護ビジョン」が必要と考えます。
総理、新たな「介護ビジョン」を策定する考えはありませんか、お答え下さい。
公明党は昨年11月から12月にかけて、全国3000人を超える議員が一丸となり、47都道府県で「介護総点検」を実施しました。
寄せられた10万件を超える貴重な声をもとに、高齢者が住み慣れた地域で、必要に応じた介護サービスや介護施設を自由に選択・利用でき、家族の負担が過大にならない「安心して老後を暮らせる社会」の実現をめざします。
そこで2025年の姿を前提に、2012年の介護保険制度改正では、抜本的な制度設計の見直しが必要です。
日常生活を豊かに過ごす介護基盤整備の拡充をはじめ、利用者負担の抑制や、家族に休息してもらうレスパイトケアの充実、介護従事者等の処遇改善の見直しは先日の予算委員会で指摘したように全力を挙げて取り組まねばなりません。
生涯設計において、必要な時に入居できるケア付き高齢者住宅の整備も求められています。
まずは介護施設の大幅な拡充が必要です。
入所待機者の解消をめざして「特養ホーム、老健施設などの介護3施設は倍増させる」、また、まったく足りない「特定施設、グループホームは3倍増に増やす」緊急整備に着手すべきです。総理の考えを伺います。
また、在宅介護の支援強化を急ぐべきであり、「通い」「宿泊」「訪問」といったすべてのサービス体系を提供する「小規模多機能型居宅介護事業」の大幅な拡充は、先日の予算委員会で指摘したところです。
総理、今こそ、安心して老後を暮らせる社会の実現に向けて、政府を挙げて取り組もうではありませんか。総理の明快な答弁を求めます。
安全網の強化
次に、社会を支える安全網の強化について伺います。
福祉や雇用のセーフティーネットから漏れた貧困層、低所得や単身の高齢者、ひとり親世帯など、社会的に弱い立場の方々を最優先で支援することが政治に課せられた使命です。
公明党は現行のセーフティーネットを拡充し、所得保障、住宅支援、就労支援等のトータルな支援策をいま一重、厚くすべきです。
第1に、職業訓練等の就労支援とその間の生活保障が重要です。
昨年ILOが発表した報告書では、わが国は失業給付を受けていない失業者の比率がOECD諸国の中で最も高いことが明らかになりました。
まずは雇用保険の適用範囲を拡大することが急務です。
また、公明党の推進で創設した、職業訓練中の生活費用を保障する「訓練・生活支援給付」は、より多くの方が利用できるよう拡充するとともに、制度を恒久化すべきです。
第2に、高齢期の所得保障の柱である年金制度の安全網を強化することが必要です。公明党がこれまで主張してきた、年金保険料の事後納付期間の延長は、今般、政府提出の国民年金法改正案に盛り込まれましたが、これだけでは支払い能力のある方しか救済できず不十分です。
事後納付期間の延長とともに、受給資格期間の短縮、さらには低所得者に年金額を上乗せする年金加算制度の創設を早急に実現すべきです。
第3に、ひとり親世帯や独居高齢世帯の増加といった今日的課題を踏まえ、こうした方々が安心して生活できるよう、給付面のみにとどまらずサービスの提供においても支援を強化すべきです。
ひとり親が安心して子どもを預けられる安価な保育サービスや、独居高齢者の安全を地域で見守るサービスなど、必要かつ十分な支援を行うべきです。
以上、わが党が提案する安全網強化の具体的な取り組みについて、総理の考えを伺います。
チャイルドファースト社会
子どもの幸福を最優先
ビジョンの第2の柱は、「子どもの幸福を最優先する社会」、すなわち「チャイルドファースト社会」の構築です。
かけがえのない子どもたちの個性や能力、創造性、思いやりの心を育むことを社会の最優先課題とする、未来を託す子どもたちを社会全体で守り育てる、そのような環境を整えてまいりたい。
今回の経済危機のように、社会が危機に直面した時、そのしわ寄せを最も強く受けるのは子どもたちであります。
その意味からも、危機を乗り越えようとしている今こそ、私たちが掲げる理念の重要性を強調したいのであります。そこで、教育について伺います。
学校教育環境の整備
総理は施政方針演説で「教育」について言及されましたが、教育の質を向上させるための具体策は全く示されませんでした。
私は、「チャイルドファースト」という理念のもと、社会全体で教育に取り組むための環境整備を進めるべきと考えます。特に学校は、子どもをさまざまな脅威から守る安全の拠点、文化の担い手を育成する拠点、未来をつくる人材の発信拠点をめざし、教職員等の人材の充実など、ソフト・ハード両面にわたる環境整備に取り組むべきです。
具体的には、災害に強い学校づくりに加えて、情報化社会に対応したICT環境の整備、少人数教育の徹底、経験豊かな社会人の活用、文化芸術活動など体験学習の充実、スクールカウンセラーや栄養教諭の充実、地域で学校を支える体制の抜本的な強化が必要です。
また、地域や学校の多様な課題に柔軟に対応するため、教育における地方分権の推進も必要と考えます。
特に義務教育については、権限や財源の大胆な移譲を検討するなど、学校や地域が自由な発想で子どもを教育できるような環境を整えるべきです。総理の見解を求めます。
学校の耐震化
さて、総理は施政方針の中で、阪神・淡路大震災のことに触れつつ、「防災」「減災」の重要性に言及されました。
しかし、この度、提出された予算案では、学校施設の耐震化について予算計上されたのは約2200棟分。地方自治体から要望があった約5000棟の半分にも満たない。
一方で、マニフェストに掲げた「高校授業料の実質無料化」には約3900億円を計上しました。
マニフェストの実現を優先するあまり、結果的に、子どもや地域のまさに「命を守る」学校の耐震化予算が削減されたとの指摘もあります。
このように禍根を残した予算編成になってしまったのも、本当の意味で「命を守る政治」を貫く信念とめざすべきビジョンがないからです。総理の見解を求めます。
子どもの読書活動
総理、今年が「国民読書年」であることはご存じでしょうか。
これは2008年に衆・参両院で全会一致の決議を経て制定されたものです。私たちも読書の重要性、特に子どもたちが本に親しむことの大切さを何度も訴えてまいりました。
朝の読書が定着した学校では、読解力の向上だけでなく、「子どもたちに落ち着きが出てきた」「遅刻やいじめが少なくなった」などの効果も報告されてます。
しかし、事業仕分けの結果が反映された22年度予算案では、子どもの読書や体験活動を応援する「子どもゆめ基金」を廃止した上に、子どもの読書活動を推進する事業は大幅に縮減されてしまいました。
仕分け結果に寄せられた国民からの意見のうち、実に9割近くが反対であったにもかかわらず、です。
総理は読書の重要性やこれに関する教育現場などでの着実な努力をどのようにお考えか。明確にお答え下さい。
貧困や飢餓など脅威から人間を守れ
核廃絶・平和・環境
ビジョンの第3の柱は、「核廃絶・平和・環境で世界に貢献」する日本です。
公明党は、平和の党として、「人間の安全保障」を掲げました。
これは、貧困や飢餓、紛争と地雷、環境破壊、感染症、麻薬などの脅威から一人一人の人間を守るという考え方です。その人間を守る大前提として、核兵器廃絶、そして持続可能な地球環境を実現することをめざします。
まずは、核兵器の廃絶への政府の取り組みについて、伺います。
世界には今も2万発を超える核兵器が存在するといわれ、21世紀に入ってからは、テロなどの影響により核の拡散という新たな核の脅威も生まれています。
「核廃絶」を実効性あるものとして前進させるためには、「核の違法性」を国際規範として確立することが必要です。
わが国のリーダーシップのもと、この規範を広めるため「核兵器禁止条約」の実現をめざすべきだと考えますが、総理のご見解を承りたい。
「核兵器のない世界」をめざすと宣言した昨年4月のオバマ米大統領の演説により、世界は核軍縮へと動き始め、「核兵器のない世界」をめざす安保理決議1887号の全会一致の採択など、変化の兆しに世界の期待が高まっています。
その中で迎える本年の核拡散防止条約(NPT)の運用検討会議はまさに正念場であります。
核廃絶への第一歩は、何よりも核保有国がこれまでの核抑止政策を転換できるかどうかにかかっていると考えます。
そのために、NPT運用検討会議において、核兵器国は非兵器国に対して核兵器を使用しないとの1995年のジュネーブ軍縮会議での宣言を改めて行うとともに、それを実効あらしめるため「消極的安全保障」の法的拘束力のある合意をめざし、各国が議論のテーブルにつけるよう唯一の被爆国であるわが国が行動すべきと主張します。
さらに、国連決議1887号に盛り込まれたCTBTの批准やカットオフ条約の早期交渉開始の実現についても、NPT運用検討会議の好機を生かし、働き掛けていただきたい。併せて、総理のご所見をお尋ねします。
温暖化対策で 世界をリードせよ
次に、地球温暖化対策への取り組みです。
これは人間の安全保障のために避けて通れない課題ですが、国際交渉のありようは、人類共通の課題の解決よりも、いかに自国の義務や負担を少しでも軽くするかに力点が置かれているのが実情です。
こうした状況を打ち破り、むしろ各国が温暖化対策への貢献を競い合うような状況をつくり出すことが必要であり、それをリードする中に、わが国のソフトパワーも高まるのではないでしょうか。
公明党が北海道洞爺湖サミットに先立ち、温室効果ガスの2020年25%削減を打ち出したのも、こうした考え方に立ったからであります。
日本政府は、今後の外交において、「公平かつ実効性のある国際枠組み」「意欲的な目標」の実現をただ待っているのではなく、その実現のために積極的に国際社会をリードしていただきたい。
まずは、ほぼすべての国がコペンハーゲン合意に賛同し、国別削減目標や削減行動を提出するよう働き掛けるべきです。
またCOP16のホスト国メキシコや国連条約事務局と連携を強化し、交渉をサポートしなければならないと思いますが、総理の外交方針ならびに決意をお伺いいたします。
また、国際社会の温暖化への取り組みを促進していくためにも、25%削減の国内対策を、もっとスピード感を持って進めていくべきです。鳩山内閣の新成長戦略にも「環境」が掲げられていますが、具体性に欠けた貧弱なものと言わざるを得ません。このままではわが国はさらに世界に後れを取りかねません。
まず、国際交渉の結果を待たず、早急に国内の削減目標を決定すべきではないでしょうか。それでこそ本格的な低炭素社会づくりをスタートさせることができると考えます。
それとともに、わが国の温室効果ガス排出の実態をきちんと分析し、包み隠さず、分かりやすく国民に知らせた上で、現在の経済社会を低炭素社会に移行させるための制度づくりを急ぐべきです。
自然エネルギ ーの導入急げ
また、太陽光発電、小水力発電などの自然エネルギーの導入を図るために電力の固定価格買取制度をどう拡充していくか、あるいは次世代自動車や断熱住宅などへの切り替えをどう進めるのか、税制優遇や補助金を強化するなら、その財源はどう捻出するのか等々。
各種の施策をいかに組み合わせて温室効果ガス削減を実現するかという見取り図を早急に示し、国民の理解を得なければ、10年後に迫った2020年25%削減には間に合いません。
鳩山総理は、まず国内削減目標を早急に決める考えはないか、また、日本の排出実態をどう認識し、どのような道筋で国内での削減を進めるつもりなのか、明快な答弁を求めます。
地域主権型道州制
新しい国のカタチへ検討を
次に道州制についてお尋ねしたい。
公明党は、地域の活性化と新時代にふさわしい福祉をはじめとする身近な行政サービスを充実させるために、国?道州?基礎自治体の3層構造から成る「地域主権型道州制」の導入を掲げています。
人口減少、高齢化、過疎化に直面している今日、日本全体が持続的に発展していくためには、新しい国のカタチとして、地域が主権を持つ「地域主権型道州制」の導入が不可欠です。
総理は施政方針で、「地域主権型の構造に変革する」と述べましたが、地域主権型道州制の導入について、政府は検討されているのですか。だとすれば、そのスケジュール、基本方針等の取り組みはどうなっているのか、答弁を求めます。
道州制の導入に先立ち、まずは徹底した地方分権を推進することが重要です。特に、その鍵を握るのが、地方の税財源の充実、二重行政との批判がある国の出先機関の廃止ですが、一向に進んでいません。
鳩山内閣からは、地方分権の具体的な取り組みについて、言葉は踊れど、強靱な意志やメッセージが伝わってきません。地方の率直な意見だと思います。
総理、地方分権を推進するために、一体いつまでに、何を実現するのか、その道筋を国民に分かりやすく説明すべきです。お答え下さい。
緊急雇用対策
あらゆる政策 総動員すべき
次に具体的な政策課題について伺います。
今、雇用問題は深刻です。「仕事がない」「ハローワークに何回通っても仕事が決まらない」「いつ解雇されるか分からない」など、国民は現実に苦しんでいます。
「雇用調整助成金」の積極活用による雇用維持。雇用保険や住宅困窮者への対策などのセーフティーネットの強化。医療・介護、子育て分野や環境、農業、観光などの成長分野への戦略的な雇用創出。この三つの柱を軸に、あらゆる政策手段を総動員すべきです。
特に、高校・大学等の新卒者の就職は危機的な状況です。新卒者の内定率が「就職氷河期」と呼ばれた時代を下回る今、緊急避難的な措置として、第2次補正予算で講じられるアドバイザーの人的配置とともに、トライアル雇用のように、未就職新卒者が実際に働ける場を提供するような緊急支援策を講じるべきです。待ったなしの雇用対策に対する総理の認識と取り組みの方針について伺います。
普天間移設問題
住宅地から“危険”取り除け
最後に、普天間飛行場の移設問題についてお尋ねします。私は、昨年12月18日、沖縄県を訪問し、普天間飛行場に近接する市立普天間第二小学校などを視察してきました。
同小学校では、墜落事故を想定し、避難訓練まで実施しています。
普天間問題の根本は、住宅地の真ん中に基地が存在する危険性を取り除くことです。総理は施政方針演説で「いのちを守りたい」と繰り返し述べましたが、まさにこの解決こそ、「いのちを守る」ことにほかならない。
一日でも先送りされれば、それだけ「いのち」が危険にさらされます。沖縄から遠く離れた政府における閣僚の発言の不一致、コロコロ変わる総理の発言は、沖縄の人々の「いのち」にかかわる問題に対する切迫感が感じられません。
先日の予算委員会において私は、5月末決着について、「実現できなければ、内閣の命運にかかわること」であり、「この政権の存続をかけてこれを実現する」決意かと総理に質問しました。
総理は「5月末までに必ず結論を出します」と答弁されました。これは普天間の危険性を除去するための移設先を5月末までに決定できなければ、総理として責任を取る覚悟があるということだと受け止めましたが、改めて、総理の明快な決意を求めます。
以上、私のビジョンを中心に言及してまいりましたが、この未曾有の経済危機を打開し、併せて日本の希望ある未来を切り開く総理のリーダーシップを強く望み、私の質問を終わります。
山口代表に対する鳩山首相の答弁(要旨)
一、(民主党国会議員の逮捕について)大変遺憾だ。(党の)自浄能力については捜査による事実解明を待つことが肝要だ。
一、(介護基盤の整備について)今後、介護基盤整備の目標を示す。介護3施設の約16万床の整備と併せて、地域包括ケアシステムを構築したい。公明党が熱心に推進する小規模多機能型居宅介護事業もさらに活用・普及を図りたい。
一、(職業訓練中の生活費用保障の恒久化について)平成23年度から、訓練期間中に手当を支給できるよう求職者支援制度を創設したい。
一、(学校の耐震化について)予算案への計上状況は、必ずしも自慢できる話ではないと考えている。今後、2兆円の景気対策枠の活用も視野に入れ、早急に進めたい。
一、(「消極的安全保障」の法的拘束力ある国際合意について)おっしゃる通りだ。基本的に支持できる。関係国と連携しながらリーダーシップを発揮したい。
一、(普天間移設問題について)負担軽減を長い間願ってきた沖縄県民の気持ちを大事にする立場を基本姿勢に、安保の観点も踏まえて検討する。私が責任を持ちながら5月末までに必ず結論を出す。
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