新たな政策展開で人材の確保を
安心の長寿社会へ改善急げ
公明新聞:2009年11月19日付
介護職員の待遇
少子高齢社会を突き進む日本にあって、介護の担い手の待遇の低さが大きく問われている。
介護報酬は他業種の給料に比べると低く、離職者も相次いでいる。そのため介護人材が不足し、介護施設のサービスの質が低下するという悪循環に陥っているのが現状だ。
厚労省の賃金構造基本統計調査(2008年)によると、全産業の平均と比較し、介護職員は所定内賃金(労働契約で定められた時間内の基本給と諸手当)が低く、勤続年数も短い。例えば、全産業の平均は勤続年数11・6年、年齢40・9歳で、同賃金が月額29万9100円。一方、ホームヘルパーは勤続年数4・4年、年齢43・9歳で、同賃金が月額19万4400円と10万円以上も低い。
本紙が独自ルポを中心に掲載している「シリーズ 介護は今」でも、訪問ヘルパーの7割以上が非正規雇用のため、まとまった収入が見込めないことや、介護福祉士の資格を取っても、結婚を考えると「共働きじゃないと無理」といった“生の声”が数多く紹介されている。
「高齢者を支えたい」という志だけでは生活が成り立たず、介護の担い手が転職の葛藤に悩まされる実態は看過するわけにはいかない。
公明党は、安心の長寿社会実現をめざし、介護職員の待遇改善と人材確保に一貫して取り組み、今年4月からは介護報酬3%アップを実現させた。しかし、給与面の改善が動き出したものの、現場からは「給料がアップしたという実感がない」との声が多く寄せられた。
これに対し前自公政権は経済危機対策として、09年度度補正予算で「介護職員処遇改善交付金」を創設した。
同交付金は介護職員の月額賃金を平均1万5000円助成するもので、今年の10月から2011年度末までの2年半、申請した介護事業者に支給する。厚労省は12年度以降も継続する方針を示している。
ところが、介護事業所の同交付金についての申請率(10月30日現在)は72%にとどまり、3割近くが未申請なことが明らかになった。
その理由の一つは、政権交代による補正予算の執行停止が取りざたされたことから、申請を見送る事業者が続出したためと指摘されている。鳩山政権の対応が給料アップにストップをかけたことは否定し難い。
公明が介護総点検運動
10月30日の参院代表質問で公明党の山口那津男代表は、国民の間に不安と混乱をもたらしている政府の政策変更を批判した上で、介護人材の確保を鳩山首相に強く求めた。
さらに公明党は現在、全国各地で「介護総点検運動」を展開している。全公明議員が3000人のネットワーク力を生かし、深刻化する介護現場の実態を全国的に総点検するものだ。
公明党は、同総点検の結果を踏まえ、新たな介護政策の立案に全力を挙げる決意だ。
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