広がる訪問ボランティア
看護師の「一人開業」認めて
「最初から黒字」は困難。整備遅れる看護ステーション
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立ち上がれ!潜在ナース<下>
公明新聞:2009年10月8日付
訪問ボランティアナースの会「キャンナス」が発足して12年余。その理念と実践に共感し、立ち上がる“現役ナース”も増えている。愛知県春日井市に住む冨士惠美子さんは、介護付き老人ホームで看護長を務める30年超のベテラン。
「先日も認知症の家族から『いっそ殺して自分も……と、自殺や心中、虐待の衝動に襲われる』との声を聞きました。これは、現在の訪問看護では家族のレスパイト(休息)に十分なサービスが提供できていない証拠。(ボランティアの)キャンナスなら、ご家族の要望にそった支援で『気持ちがリフレッシュできた。また介護に頑張れる』と喜んでもらえるはず」
11月15日、冨士さんは自ら「キャンナス名古屋」を立ち上げる。
立ちはだかる壁
こうした支部誕生の動きとは裏腹に、重要度が年々高まる「訪問看護ステーション」の整備は遅れたままだ。
原因は人員配置基準。開業には「事業所当たり常勤換算で2・5人以上」必要とされているが、利用者がいないうちから2・5人分の給与を払うのは難しく、3人で開業しても、一人辞めたら休止に追い込まれる。
「これでは最初から黒字はムリ。一人開業なら赤字を出さずに何とかスタートできるのです。熱意あるナースが一人で開業し、利用者が増えたら2人目、3人目を雇う。この当然のことが、なぜ許されないのでしょう」
キャンナス代表の菅原由美さんは昨年11月、看護師の一人開業をめざして「開業看護師を育てる会」を立ち上げ、同月には公明党の古屋範子衆院議員らとともに当時の渡辺孝男厚生労働副大臣(公明党)に検討を要請。また、三重県四日市市議会では今年1月、公明党の市川悦子議員が「四日市発の“特区”で(一人開業への)規制緩和が全国区になるよう強力に推進を」と訴えてもいる。
しかし、立ちはだかる壁は厚い。「厚労省にも『2・5人は必要』との確たる理由はないようだが、看護師一人で処理できない事態が起きたらどうするか、認可する側はそこを心配している」。坂口力副代表は懇談で、厚労省側に菅原さんらの要望を伝えた際の感触を、そう振り返った。
助産師はOKなのに
「助産師だって、夜中に産気づいたり早産だったり、いつ呼び出されるか分からない仕事ですが、助産師が一人で開業できて看護師はダメというのはおかしい」と菅原さん。
「看護師も、一人開業が認められて小学校区に一つ程度のステーションが整えば、看護師同士の“看看連携”で対応できます。また、子育てで家庭に入った潜在ナースも、子どもが幼稚園から戻るまでの時間を活用して訪問看護に従事でき、利用者様が急変しても、近場だから自転車や、サンダル履きで駆け付けられるようになる」とも。
一人開業の見通しは不透明だが、「とにかく今は、キャンナス100支部をめざし、呼び掛けていきたい」??。自立心の強い“星降るほど”の潜在ナースの掘り起こしへ、菅原さんの闘いは終わらない。
立ち上がれ潜在ナース<上>
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