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来春の大学新卒 就職戦線は今

公明新聞:2009年9月24日付

企業合同説明会に詰めかけた来春新卒の大学生=18日 都内企業合同説明会に詰めかけた来春新卒の大学生=18日 都内

景気悪化で長引く“就活”

 昨秋からの急激な景気悪化のあおりを受け、来春卒業予定の大学生の就職活動が長期化している。特に今年(2009年)は、夏を過ぎても“就活”を続けざるを得ない学生が目立っている。厳しい不況の中、就職戦線に挑み続ける大学生の今を追った。

「早く決めたい。でも…」
女子学生の苦戦目立つ 採用数減のカベに募る不安

 「大学生なのに勉強にも手が付かないで、一体、何をしたらいいのか……」

 都内の私立大学に通う川端恵子さん(仮名、23歳)は、スケジュール帳を見返し、思わずため息を漏らした。就職活動は7カ月目に入り、これまで受けた企業は50社近くに上る。だが、いまだ1社からも内々定を受けていない。予想以上に長引く悪戦苦闘の“就活”に焦りと不安ばかりが増していく。

 大学生の就職活動は例年、3年生後半から情報収集活動を始め、翌春に大手企業の採用内々定の山場を迎える。中堅企業でも夏までが山場で、大半の学生は、企業が正式内定を出す10月1日には就職活動を終えていた。

 しかし、昨秋からの急激な景気悪化を受け、企業の新卒採用数が減少。このため今年は、夏を超えても内々定を受けられない学生が多くなっている。

 特に、女子学生の苦戦が目立つ。情報通信分野でシステムエンジニアをめざす川端さんは「技術職への就職志望は、普通なら男子が大半だった。でも、今では半分が女子になっている」と語り、希望職種で採用が決まらない女子学生が職種の幅を広げて就職活動している実情に、危機感を募らせる。

 そんな中、川端さんは「大学のキャリアセンター(就職課)で相談しても、希望する求人には巡り合えない」と見切りをつけ、8月初めからは、専門コンサルタントが直接、企業と学生を仲介するエージェント会社を利用する就職活動に切り替えた。しかし、そのエージェント会社からも、「昨年まで1社に対し4、5人の学生紹介だったが、今年は1社10人を超えるなど、競争率は2倍以上に跳ね上がっている」と説明された。紹介を受けるまでにも、説明会や面接など、昨年までなかったステップも踏まなければならないという。

 川端さんは現在、ようやく紹介された企業の面接を受け、結果待ちの状態。「何とか10月中旬までには就職を決めたい。でも、手応えはない」と、拭えない不安と闘う日々を送っている。

求人減 学生増
買い手市場に一転、対応遅れ

 今年7月に完全失業率が過去最悪の5.7%を記録し、雇用情勢が一段と厳しさを増す中、大学生の新卒採用状況も厳しい状況が続く。

 就職情報会社「ディスコ」のモニター調査では、7月1日現在の内々定率は69.6%で、前年よりも13ポイントの落ち込み。これは、就職氷河期明けの2004年の73.2%をも下回る数値で、秋以降も就職活動を続けざるを得ない学生が増えていることを示している。

 また、同社が今月17、18の両日に開催した企業合同説明会でも、求人企業26社に対し1450人が来場。昨年の求人企業76社、来場者1100人に比べ、「求人減」と「学生増」の現状が浮き彫りになった。

 同社調査課は「景気の急激な悪化で、ここ数年の“売り手市場”が一転、“買い手市場”となり、学生、企業側ともに混乱している状況が見受けられる」と述べ、学生、企業ともに、急激な雇用情勢の悪化に対応し切れていないことも“就活”の長期化に影響していると指摘する。

 一方、リクルートワークス研究所の推計でも、来春新卒の求人倍率は1.62(4月現在)と前年から25%落ち込んでいる上、「景気不安による学生の『安定』『安全』志向と、企業側の“厳選採用”のミスマッチにより、実際の採用はさらに厳しくなっている」(徳永英子研究員)と分析している。

大学生から就職活動の状況を聞く谷合学生局長=17日 都内党学生局 支援強化へ行動開始
学業との両立や負担など 学生から意見聴取

 公明党学生局(谷合正明局長=参院議員)が17日に開いた就職意見交換会では、大手企業に学生が集中する現状や、選考途中での採用中止、求人情報の偏りなどの実情が報告され、谷合局長は「個人の範囲を超えた課題がよく分かった。具体的な支援策を精査し、早速、動いていく」と述べ、“就活”への支援強化に取り組む考えを示した。

 大学生の“就活”では、インターネットサイトによる求人情報収集が欠かせず、企業説明会への参加予約も同サイトから申し込む。しかし、人気企業に学生が殺到するため、半日や数時間で予約が埋まり、申し込みさえできない学生も多く、「パソコンや携帯電話に張り付かないと予約できないのが現状だ」(私立大学院生)という。

 また、“就活”の長期化による交通費負担の増加や、大学の公欠回数制限などによる学業との両立が負担となっているほか、日本の中小企業数が430万社に上る一方で、求人情報が少ないとの現状も指摘された。

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