未来見据え「3つの挑戦」
公明新聞:2010年2月4日

核廃絶・平和・環境で世界に貢献
子どもの幸福を最優先する社会
地域で支える協働型福祉社会
新ビジョン具体化へ 介護拡充、安全網強化など提言
参院本会議で山口代表が強調
代表質問で公明党の新ビジョンの具体化などを訴える山口代表=3日、参院本会議
参院は3日、本会議を開き、鳩山由紀夫首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党代表質問を行った。公明党の山口那津男代表は「政治とカネ」の問題や政府の経済財政運営を厳しく追及するとともに、日本の未来を見据えて公明党が掲げた「新ビジョン」に言及。「地域で支える協働型福祉社会」「子どもの幸福を最優先する社会」「核廃絶・平和・環境で世界に貢献」の「三つの挑戦」を展開していく考えを強調し、政府の見解をただした。
■新ビジョン
山口代表は、急速に進む高齢社会の現状に触れ、「年金・医療・介護・子育ての各分野で、きめ細かなサービスの仕組みをつくり、地域の実情にあった『協働型福祉社会』を築くべきだ」と強調。その上で「最重要の課題の一つは介護の力をどう築くかだ」と指摘し、公明党が昨年実施した「介護総点検」の結果を踏まえ、介護保険制度の抜本的見直しや介護従事者の処遇改善を主張した。介護施設の拡充については、「特養ホームなどの介護3施設は倍増。特定施設、グループホームは3倍に増やすべきだ」と提言した。
また、雇用のセーフティーネット(安全網)の整備に関し、職業訓練中の生活費を保障する「訓練・生活支援給付金」制度について、「多くの方が利用できるよう拡充するとともに、恒久化すべき」と強調。鳩山首相は、「平成23(2011)年度から求職者支援制度を創設したい」と述べ、恒久化も含めて検討する考えを示した。
山口代表は新ビジョンの第2の柱である「子どもの幸福を最優先する社会」について、「未来を託する子どもたちを社会全体で守り育てる環境を整えていきたい」と力説。教育環境の整備や学校の耐震化、子どもの読書活動・体験学習の推進などを強く要望した。
鳩山首相は学校の耐震化について、「(10年度予算案に計上された)2兆円の景気対策枠の活用なども視野に、早急に進めていきたい」と答えた。
核廃絶への取り組みで山口代表は「核の違法性」を国際規範として広げるため、「核兵器禁止条約の実現を」と主張。その上で、非核保有国に対し核攻撃をしないとの消極的安全保障の考え方について見解を求めた。鳩山首相は消極的安全保障について「基本的に支持できる」と述べた。
地球温暖化対策で山口代表は、2020年までに1990年比で温室効果ガスを25%削減する政府目標について、「早急に国内の削減目標を決定すべき」と要請。道州制の導入に関しては、地方分権への道筋を国民に分かりやすく説明するよう訴えた。
■「政治とカネ」
山口代表は、鳩山首相自身や小沢一郎・民主党幹事長の「政治とカネ」の問題について十分な説明をしない首相の姿勢を批判し、「信を託した国民への裏切りそのもの」と指摘。鳩山首相に対する母親からの総額12億6000万円もの資金提供について「何に使ったかも説明せず、国民にどう納得しろと言うのか」と使途の説明を求めた。小沢幹事長の資金管理団体をめぐる事件に関しても「小沢氏が『潔白であると信ずる』と言うなら、根拠を示す責任がある」と追及。再発防止のための政治資金規正法改正案の今国会成立を改めて求めた。
■経済財政運営
10年度予算案で新規国債発行額が44兆3000億円にまで膨れ上がる一方、11年度以降の恒久的な財源はほとんど捻出されなかった点について、山口代表は「見通しが甘かったと率直に認めるべきだ」と指摘した。
また、現政権が09年度第1次補正予算を凍結し、年明けまで景気対策を先延ばしした姿勢に対して「中長期の見通しのない、その場しのぎに過ぎない」と批判。
成長戦略や財政健全化の具体的な道筋を示し、社会保障の在り方や貧困・格差の是正への明確なビジョンを打ち出すよう迫った。
■政策課題
雇用対策について山口代表は、深刻な雇用情勢を踏まえ(1)雇用調整助成金の積極活用(2)雇用保険などセーフティーネットの強化(3)医療・介護など成長分野への戦略的な雇用創出――の重要性を強調。「特に高校・大学など新卒者の就職は危機的な状況」と指摘し、緊急支援策を講じるよう求めた。
鳩山首相は、雇用対策に積極的に取り組む考えを示した。
沖縄の米軍普天間飛行場移設問題に関して山口代表は、5月末までに移設先を決定できなかった場合、責任を明確にするよう主張。鳩山首相は改めて「5月末までに必ず結論を出す」と応じた。
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