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主張「安心の職場」を労使共同で

公明新聞:2010年2月1日

脱デフレへ賃金・雇用確保は不可欠

春闘スタート

 日本経団連の御手洗会長と連合の古賀会長とによる労使トップ会談が開かれ、今年の春闘が実質的にスタートした。

 企業業績の悪化で賃金が抑えられ、物価も下落するというデフレスパイラル下での交渉となる。半世紀余に及ぶ春闘史上でも最悪の環境と言えそうだ。労使は危機意識を共有し、安心して働ける職場の実現に向けて真剣な議論を展開してほしい。

 トップ会談で御手洗会長は「企業の存続、雇用の安定が最重要」として、定期昇給(定昇)の凍結を示唆した。これに対して古賀会長は、ベースアップ(ベア)の統一要求は断念しても定昇は譲れないとして、その維持を強く求めた。双方の隔たりは大きく、3月中旬の集中回答に向けた交渉は例年以上の難航が予想される。

 実質的な賃下げである「定昇の凍結」が春闘で議論されるのは2004年以来のことだ。この一点を見ても、現下の景気がいかに深刻かが分かる。

 事実、御手洗会長は「日本経済の危機はいかなる経験をも上回る厳しさ」との認識を示し、これを定昇凍結の根拠としている。賃上げで個人消費の回復やデフレ脱却が見込めるほど甘い状況になく、まずは企業の体力回復が必要というわけである。

 確かに、供給力が需要を35兆円も上回り、円高による物価下落圧力も一向に衰える気配を見せない中、賃上げだけで景気が回復するとは思えない。

 だが、デフレスパイラル下、労働者の賃金と景気はかつてないほど不可分に結び付いていることも事実だ。賃金抑制で先行き不透明感が増せば、個人消費はさらに冷え込み、「二番底」不況が現実となりかねない。「定昇凍結はデフレを加速する」との労働側の主張に、経営側は耳を傾けるべきではないか。

大局的視点の議論を

 重要なことは、「企業の存続」か「労働者の生活防衛」かという二者択一の発想を捨て、日本経済全体をどう底上げするかという大局的な視点に立つことだ。労使双方は知恵と力を結集し、共同でこの難関を克服する懐の深さを見せてほしい。

 今春闘ではもう一つ、雇用の安定も大きな争点だ。

 有効求人倍率は過去最悪の0・47倍にまで落ち込み、失業率も5%台で高止まりしている。このまま雇用不安が常態化するなら、当面の課題であるデフレ脱却が遠のくばかりか、就職氷河期の再来で若者の未来までも閉ざしかねない。

 今や全労働者の3分の1を占める非正規労働者の待遇改善も含め、労使双方にはここでも、大局観に立った共同歩調の対応を望みたい。

 無論、政治の責任も大きい。

 公明党は昨年末、若者の雇用総点検を行い、先月27日の参院予算委員会では、山口那津男代表がこの結果を踏まえ、具体的な新卒者就職支援策などを提言したところだ。実り多き春闘とするためにも、引き続き党の総力を挙げて景気・雇用問題に取り組む方針である。

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