国民の理解得ながら普及を
公明新聞:2009年11月18日
全量買取 制度設計は温暖化対策全体で
再生可能エネルギー
政府は、太陽光や風力、バイオマス(生物資源)などの再生可能エネルギーの普及に向け、発電システムを導入した家庭などから、発電した電力すべてを電力会社に買い取らせる「全量買取制度」のあり方を検討している。
二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出せずに発電できる再生可能エネルギーの普及は、地球温暖化対策や環境関連産業の育成などの観点から、強力に進めていかなければならない重要な課題である。
今月からは、太陽光発電で作られた電力のうち、使い切れずに余った電力(余剰電力)を一定の価格で電力会社に買い取らせる新たな制度がスタートしたが、再生可能エネルギーをより一層普及させるためには、買取制度のさらなる拡充が必要だ。
公明党は再生可能エネルギーの普及に向け、「低所得者に配慮した料金システムを検討しつつ電力の固定価格買取制度を拡充する」と主張している。
買取制度は拡充させるべきではあるが、普及のために必要なコスト(費用)は国民への負担増につながるという点も忘れてはならない。
太陽光発電の買取制度では、電力会社が従来の2倍の価格で余剰電力を買い取ることで導入コストの回収期間を短くし、太陽光発電の普及を後押しする一方、買い取りに必要な経費は電気料金に上乗せされる。買い取る対象を余剰電力にしたのは国民負担を抑えるためで、同時に導入した家庭などの省エネ努力も期待できる。
同制度による国民の負担増は一般的な家庭で月額30円程度で、最大でも100円未満になる見通しだ。
考え方によっては、太陽光発電を導入していない人も、毎月数十円の負担で温暖化防止に貢献しているといえよう。
負担のバランス重要
ただし限界はある。
民主党はマニフェストで「全量買い取り方式の再生可能エネルギーの普及に対する固定価格買取制度を早期に導入する」としているが、仮に太陽光発電の買取制度と全く同じ仕組みで実現すれば、電力を買い取る経費が大幅に膨れあがり、国民にはばく大な負担がのしかかる恐れがある。
太陽光発電において、電力の買取制度の本格拡充によって日本から累積導入量“世界一”の座を奪ったドイツでは、再生可能エネルギーの電力買い取りに必要な費用の転嫁で、国民の負担が月額419円に上る。
さらに、政府が温暖化対策として検討している環境税や温室効果ガスの排出権取引なども、国民の負担増につながることは避けられない。
政府は再生可能エネルギーの全量買取制度について、来年3月を目途に中間とりまとめを行うとしている。
普及策と国民負担のバランスが大事だ。政府はこの点に十分注意して、制度設計の議論を進めてもらいたい。
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