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鳩山政権 地方に広がる不安

公明新聞:2009年11月17日

今治港の通勤、通学の風景。フェリーは生活の足として定着している

高速道路無料化
フェリー業界は大打撃
島民の〝生活の足〟奪う恐れも

今治港の通勤、通学の風景。フェリーは生活の足として定着している

 午前8時5分。愛媛県今治市の今治港に着岸したフェリーから次々と降りた学生や会社員が自転車やバスに乗り換えて目的地に急ぐ。沖合約4キロに浮かぶ大島から市中心部の会社や高校などに向かう通勤、通学の風景だ。

 鳩山政権の本四架橋を含めた「高速道路無料化」の政策に対し、フェリーを〝生活の足〟として利用している島民の間で今、「航路がなくなるのでは」という不安が急速に広がっている。

 今治市中心部と大島は、瀬戸内しまなみ海道(西瀬戸自動車道)の来島海峡大橋で結ばれている。無料化の実施で打撃を受けるのが、同橋の真下を通り今治港と下田水港(大島)間を運航する協和汽船。

 同汽船は1日約600人の通勤、通学客が利用しているが、「高速道路よりも安い料金で何とか共存してきたが、無料になると、とても太刀打ちできない」(村上友則代表取締役社長)のが現状。同社には地元商店街や学校関係者などから、航路存続の要望が既に数多く寄せられている。週に2、3回フェリーで通院している藤田万里子さんは、「車の運転はできないし、フェリーがなくなればどうすれば……」と不安の色を隠さない。

 無料化への不安は、物流業界にも広がっている。大島で運送業を営む有限会社「宮窪総合運送」の緒方範光代表取締役は、「ドライバーが休憩できる中・長距離フェリーを有効に利用してきた。航路廃止が相次げば増員や増車などで対応せざるを得ない多大な痛手。死活問題だ」と困惑する。

 フェリーは低料金で一度に多くの人や車を運べる貴重な輸送手段として長年、“海の公共交通機関”の役割を果たしてきた。無料化の実施はフェリー業界などに壊滅的な打撃を与えることは必至。それはまた、高齢者などの“交通弱者”の生活の足を奪うことにもなりかねず、島民の不安は募る一方だ。

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