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鳩山政権 地方に広がる不安

公明新聞:2009年11月12日

医師不足で思うように診療体制が整えられない大阪・阪南市立病院

地域医療再生基金の停止<上>

医師不足で思うように診療体制が整えられない大阪・阪南市立病院

悲鳴を上げる公立病院
市財政破綻への“引き金”にも


 全国にある957自治体立病院のうち約8割が赤字決算(2007年度)という状況の中、期待が大きかった「地域医療再生臨時特例交付金」。医療機能の強化や、医師確保などの取り組みを支援するため、全国で10事業に各100億円、84事業に各25億円の計3100億円を交付予定だったが、鳩山政権により全事業一律25億円に削減され、地方は今、悲鳴を上げている。

 大阪府南部の泉州医療圏(7市3町)は100億円の交付金で公立病院の再生をめざしていた地域の一つだ。圏内人口は約92万人。人口10万人当たりの医師数は186・1人と、全国平均の217・5人を大きく下回る。医療の中核は公立病院だが、どこも経営が苦しく、特に圏域南部の阪南、泉佐野、貝塚の3市の公立病院は、経営難が深刻化している。

 府は当初、100億円の交付金で、この3病院と府立泉州救命救急センター(泉佐野市)を経営統合し、医師確保の環境を整える計画を組んでいた。だが交付金が25億円に削減され、計画が頓挫した。

 この影響を最も受けているのが阪南市だ。老朽化した阪南市立病院の建物を改築し、医師確保と住民サービスの向上で起死回生を図るはずだった。同病院は一昨年、医師不足で内科診療がストップ。昨年9月、再開したものの、外来患者数が大きく減少。現在、年間約3億円の赤字を市一般会計から補てんしている。同市の担当者は「病院経営も市財政も危険な状態」と頭を抱えている。同病院は高齢者の通院者も多く、70歳代女性は「団地に独り暮らし。病院のニュースを聞くたびに心配になる」と不安を吐露していた。

 今年8月に「早期健全化団体」となった泉佐野市のダメージも大きい。新田谷修司市長は先月、長妻昭厚生労働相あてに提出した要望書で、「医療崩壊が進む地域を根本的に立て直すには25億円規模では解決は困難」と指摘。貝塚市も「黒字化へ努力を継続するしかない」(井口正典院長)という。

 府は6日、25億円に減額した再生計画を発表。府医療対策課の担当者は、「100億円の交付金で建物などハード面を整備し、医師不足と住民不安を一気に解消する予定だったが、減額で病院間連携の強化などソフト面の整備しかできない」と、暗礁に乗り上げた地域医療再生に苦悶していた。

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