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主張第三国定住制度 「難民鎖国」返上へ万全期せ

公明新聞:2009年5月30日


成否のカギは日本社会の「内なる国際化」

 「難民鎖国」のイメージを払拭し、世界に冠たる「人権・人道大国」に飛翔する好機だ。細部に目を配った万全の受け入れ態勢を整えたい。
紛争や弾圧で祖国を追われ、海外の難民キャンプで暮らす人たちを受け入れる「第三国定住」制度の実施に向けて、政府部内での検討が本格化してきた。
 対象となる難民は、タイに逃れているミャンマー難民。外務省などの説明によると、来年度から3年間、30人ずつ計90人を試行的に受け入れ、その後、定住後の生活実態などを調査した上で、正式導入へと進む計画だ。現在、具体的な支援プログラムづくりが急ピッチで進められている。
 アジアでは初となるこの試みに、国連も「地域のモデルになる」として期待している。将来にわたって日本社会に定着させるためにも、まずは「試行」段階での成功に全力を挙げたい。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が作った推薦リストをもとに、第三国(主に先進国)が難民の受け入れを入国前審査で決定するこの制度は、単に難民認定作業を簡素化させるだけではない。紛争周辺国の負担軽減や、審査を受けたくても第三国に渡る術を持たない「より困窮している難民」の救済にも道を開く。世界に1150万人を数える難民を救済する上で、最も効果的な施策の一つと言っていいだろう。
 実際、早くからこの制度を導入している欧米諸国は、毎年数千人規模で難民を受け入れている。1981年の難民条約加盟以降、28年間をかけても500人に満たない日本との“格差”は目を覆いたくなるほどだ。こと難民問題に関しては、日本は一周遅れで後塵を拝していることを認めざるを得ない。
その意味でも、わずか30人ばかりからのスタートとはいえ、第三国定住制度の導入に踏み切る意義は極めて大きい。小さな一歩を大切に育てていきたい。


「開かれた日本」へ

 ただし、克服すべき課題は少なくない。
 第一に、受け入れ後の支援態勢の問題だ。ベトナム戦争後、日本が単独で受け入れた1万1000人のインドシナ難民の中には、受け入れ態勢が不十分なことに失望して外国に去っていった人が多くいた。この苦い教訓を生かし、日本語教育から就職・居住先の確保、就学支援、生活支援に至るまで、きめ細かな対応策の確立が欠かせない。
 それにも増して重要なのは、日本社会の隅々になお残る“外国人に冷たい風潮”だ。「内なる国際化」を地域、企業、学校などと一体となって推進する施策が必要ではないか。
 公明党は難民政策を、「その国の人権感覚を映す鏡」(神崎武法党常任顧問)と位置付け、その拡大と充実に取り組んできた。2004年の入管・難民認定法の改正しかり、今回の第三国定住制度の導入しかり、である。「人権の党」として、今後も「開かれた日本」建設への闘いに全力を注ぐ決意である。

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