学校でも食物アレルギーの子を守れ
公明新聞:2008年10月7日

県内68校78人が「エピペン」携帯
緊急時は教職員が注射
練習用を使い 管理職ら研修会開催へ
神奈川県
教職員の「エピペン」使用をめぐる取り組みについて県側から状況を聞く此村県議(左)
神奈川県教育委員会はこのほど、公立の小・中学校、高校、特別支援学校を対象に、食物アレルギーの急激なショック症状(アナフィラキシーショック)に備え、アドレナリン自己注射「エピペン」を常時携帯している児童・生徒の実態調査を実施した。その結果、県内68校で78人が常時携帯していることが判明。11月中旬に該当68校の管理職らを対象に研修会を開き、緊急時に本人に代わって教職員が「エピペン」を打つ実習などを実施する。
神奈川県教委の実態調査は、アドレナリン自己注射「エピペン」を常時携帯している児童・生徒を把握し、緊急時に教職員がためらわず本人の代わりに打てる態勢を整えるために実施した。結果は、小学校42校51人をはじめ、県内68校78人と「予想以上の人数」(県教委)となった。
該当68校の管理職らを対象に開く研修会では、県立こども医療センターのアレルギー科医長を講師に、アレルギー疾患を有する児童・生徒への対応を広く学ぶ。さらに、「エピペン」の練習用キットを用いた実習を行い、取り扱い方法を習得。学校現場での具体的な対応についても情報交換を行うことにしている。
食物アレルギーのショック症状は、発症から30分以内にアドレナリンを投与しなければ命にかかわるといわれている。学校で子どもがショック状態に陥り、意識が低下した場合、「エピペン」を自分で打てなくなるケースも想定される。この際は教職員が本人に代わって注射することが望まれる。
教職員が「エピペン」を本人や保護者、医師に代わって注射することについては、今年(2008年)4月に発行された文部科学省監修の「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」の中で、「医師法違反にならない」との見解が記され、実質的に可能になった。ところが、現場の教職員にとって、実際に児童・生徒に注射を打つ抵抗感や、ミスを犯した場合の責任を懸念し、全国的に対応が遅れている。
これに対し、神奈川県教委は「学校現場が対応に困っており、緊急時に黙って見ているわけにはいかない」と判断した。今年(2008年)7月23日、県内すべての公立学校に「アレルギー疾患を有する児童生徒への対応について」と題した文書を通知。この中で「県として、本人自ら注射できない緊急時にのみ、教職員が本人や保護者に代わって『エピペン』を注射できるものとする」と明記し、使用手順や留意点も記した。
この通知に加え、教職員の「エピペン」使用を実効性のあるものにするため、今回の実態調査と研修会開催にまで踏み切った。
公明党は、保護者の強い要望を受け、教職員のエピペン使用を今年(2008年)3月25日と同6月10日の参院文教科学委員会で浜四津敏子代表代行が取り上げるなど、国レベルで積極的に推進してきた。
これに連動し、党神奈川県議団(藤井深介団長)は、今年(2008年)7月7日の県議会文教委員会で此村善人議員が「教職員がエピペン注射をやりやすくなるような趣旨を徹底すべき」と提唱。県側から「速やかに通知する」との答弁を引き出していた。
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