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新潟県中越沖地震 再建へ歩む<5>

公明新聞:2007年8月15日

柏崎市の西山町観光協会で風評被害について聞く公明党の志田邦男県議ら

観光産業
“風評被害”の打破へ奮闘
県や観光協会が安全をPR

柏崎市の西山町観光協会で風評被害について聞く公明党の志田邦男県議ら

 被害総額7億7000万円以上(1日現在)。柏崎市の観光産業は、夏本番を迎える直前の中越沖地震で大打撃を受けた。市の調査では、回答があった市内72の宿泊施設で約3万件の宿泊予約がキャンセルになった。

 建物被害に見舞われた同市鯨波地域では施設側から予約を断った。夏休みに入り、例年なら書き入れ時に突入するという7月22日。「旅館・高岡屋」の女将を務める菅井美津子さん(69)は、地震で崩れた屋根瓦の修復とライフラインの復旧の見通しが立たないため、泣く泣く8月10日までの予約客に断りの電話を入れた。

 一方、直接的な被害が少なかった同市西山町地域では予約客からキャンセルが相次いだ。柏崎刈羽原子力発電所のトラブルをマスコミが過剰に騒ぎ立てて広がった〝風評被害〟のためであり、西山町観光協会の光村利寛会長は「毎年、地元の石地海水浴場には一日に数千人訪れるが今年はさっぱりだ。これはメディア、報道被害ともいえる」と語った。

 〝風評被害〟は、柏崎市内にとどまらず、新潟県全域の海岸に広がっている。長岡市寺泊の寺泊観光協会の山田栄三郎副会長は「地震の被害は全くないが、客足が途絶えた」と話す。また、被災地から直線距離で50キロ以上離れた新潟市でも影響は大きく、市の調べでは、6日までに8300件以上の宿泊予約がキャンセルされた。

 こうした状況の中、新潟県などは遠のいた客足を戻そうと広告やイベントを通じ、懸命に安全性をアピールしている。県は1~3日にかけて全国紙5紙を含めた新聞15紙に、安全性や観光スポットの魅力を発信する広告を掲載。

 さらに、フリーペーパーの広告掲載、ラジオのスポットコマーシャルなどの媒体を通じ、例年通り水質も砂浜もきれいな新潟の海をPRする努力を重ねた。1日には、東京都渋谷区神宮前の「表参道・新潟館ネスパス」でもPRイベントを開き、イメージアップを図った。

 各観光協会も努力を惜しまない。柏崎観光協会は、震災の影響で一度は中止になった「くじらなみ夏まつり」の花火大会を8月下旬の開催目指して急ピッチで準備。奮闘する同観光協会には「奈良県より応援しています! 今年の夏は、これからです」「少しでも復興の為になればと、風評に負けずに海水浴します」といった応援メッセージが多く寄せられている。

 少しずつ復興の〝光〟も見え始めている。8月最初の日曜日だった5日には、柏崎市内の15カ所の海水浴場にも家族連れや若者の姿が戻ってきた。例年に比べれば非常に少ないが、同協会の堀敏昭事務局長は「来ていただけることが、復興への最高の応援。ふさぎ込んでいても仕方ない。元気な新潟・柏崎をどんどんアピールしていきたい」と話している。

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