シエラレオネ(西アフリカ)を調査
公明新聞:2007年8月15日

報告 浜田昌良外務政務官(公明党参院議員)
現地を視察する浜田外務政務官=シエラレオネ
国連平和構築議長国として
緊急支援へ現場ニーズを把握
本年(2007年)6月から日本が国連平和構築委員会(PBC)の議長になったことを踏まえ、7月30日から8月4日まで、その検討対象国であるシエラレオネに現地調査を行った。
平和構築委員会とは、国連総会および安全保障理事会の諮問機関として2005年12月に国連改革の一環として設立された。これは、紛争に逆戻りしない平和構築をしていくためには、紛争状態の解決のみならず、復旧、復興、国造りに至る一貫したアプローチの下の統合的戦略が、紛争が終結したばかりの多くの国に求められていたからである。
これらの活動を資金的に支援するために、国連に2億5000万ドルを目標とする平和構築基金(PBF、日本は既に2000万ドルを拠出済み)が設立され、より緊急的なプロジェクトを支援することとなった。
昨年(2006年)6月に紛争経験国としてアンゴラが議長国として選出され、アフリカのブルンジとシエラレオネをPBCの検討対象国とすることが決定された。これを受けPBFからも両国に対し、各3500万ドルが割り当てられることとなり、シエラレオネでは1600万ドル相当の具体的な平和構築プロジェクトがPBFによって承認され、いよいよ今後秋に向けて中期的な国別統合戦略が取りまとめられる段階となった。
わが国は設立当初から平和構築委員会を重要視しており、31カ国の組織委員会のメンバーとなっており、公明党としても、わが国の積極的関与をマニフェストで公約してきている。これらを受け、本年(2007年)6月からわが国が議長国を引き受けることとなった。
議長国の日本として最初に行うべきことは、現場のニーズ・実態を直接把握し、途上国のオーナーシップを十分に尊重し、支援プロセスを含む包括的改善案の提案によって統合戦略に現場ニーズを反映することである。
一方、シエラレオネについては、わが国の大使館も設置されていないことから、そのニーズ、実態を把握するために、現地を訪問し、関係者との意見交換、現地視察を行うこととなった。
シエラレオネは、西アフリカ・ギニア湾に面し、国土面積は北海道程度で、人口は570万人、ダイヤモンドや金という豊富な資源がありながら、一人当たり年間国内所得が220ドルという最貧国であり、平均寿命も41歳と世界最低水準である。1961年に英国から独立したものの、91年に内戦が発生し、治安が悪化。その約10年間に5万人が死亡し、1万人が手足を失い、約100万人(現人口の6分の1)が故郷を追われたという。その後、周辺国や国連PKOの介入もあり、02年にカバ現大統領が内戦終結宣言を発出し、紛争状態から脱出した。
私たち一行は、カバ大統領を始め、現地の国連政治ミッションのヘッドであるアンジェロ国連事務総長執行代表、カマラ外務・国際協力大臣代行、フォンへーベル特別法廷事務局長、選挙関係者、NGO等と意見交換を行うとともに、国軍兵舎の惨状や地方における武器回収プロジェクトの視察を行った。
その結果、シエラレオネには現在も、内戦当時の課題が引き続き横たわっていることが分かった。例えば、(1)ダイヤモンドの盗掘と密売(2)汚職と不処罰の文化の蔓延(3)若年層の高い失業率(4)国防部門・若年層の不満の鬱積による紛争勃発の可能性――などが挙げられる。しかも、これらの課題は複雑に連関しており、緊急かつ適切な順序と規模で統合的に取り組むことが求められている。
ある人が「アフリカではいくら豊かな資源があっても、その金はどこかに消えてしまい、援助国の債務削減を受けている。このような状況を考えればアフリカは永久に立ち上がれない」と言った。しかし、私は、たとえ植民地時代・紛争時代の悪弊から抜け出すのに長期を要すとしてもアフリカの未来を信じたい。
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