時代に即した教育へ
公明新聞:2007年5月17日

教育関連法案 「生命尊重」を目標に規定
基本法を具体化 教員の“質”確保も取り組む
公明党は一貫して現場からの教育改革を主張。写真は塩崎恭久官房長官(中央左)に申し入れる浜四津代表代行(右隣)ら=3月6日 首相官邸
今国会の重要法案である教育改革関連法案の審議が進められています。昨年改正された教育基本法を具体化し、新しい時代に即した制度への改革を進める関連法案について解説します。
私学の自主性など 公明、現場の声を主張
学校教育を中心とする現行の教育制度は、戦後、教育の普及という面で大きな役割を果たしました。一方で、近年では不登校や引きこもりの増加、いじめや未履修問題なども明らかになり、現行の教育制度について、「子どもが成熟していくためのシステムが機能していないのではないか」との指摘もなされています。
こうしたことから、新しい時代に即した教育制度への改革を進めるため、昨年、教育基本法が改正され、その下に位置付けられる30を超える法律の見直しが始まりました。今国会では、学校教育法、教育職員免許法(及び教育公務員特例法)、地方教育行政法の改正案が提出され、現在、審議が進められています。
学校教育法改正案では、学校の運営体制を充実させるため、校長を補佐する副校長や、校務の整理に当たる主幹教諭などの新しい職を新設します。これにより優秀な教員の待遇改善や、子どもと接する時間を増やすため、教員の事務負担の軽減を進めます。また、改正された教育基本法を踏まえ「生命尊重」の精神を育むことなどを義務教育の目標として規定しています。
教員免許法改正案では、子どもにとって最大の教育環境となる教員に、常に一定水準以上の資質能力を保ってもらうため、10年ごとの「教員免許更新制」を導入します。一方で、一部とはいえ、教育・指導が不適切な教員の存在が指摘されていることもあり、「指導が不適切な教員」の認定を行い、指導改善研修を実施します。
地方教育行政法改正案では、昨年のいじめや未履修問題での教育委員会の不適切な対応を踏まえ、教育委員会の充実と責任体制の明確化を図ります。さらに、私立学校を所管する知事に教育委員会が助言できるようにするほか、子どもの生命にかかわる緊急時には、教育委員会に対して、国が一定の関与ができるようになります。
ただし、国の関与については、過度の権限強化や、地方分権の流れに逆行することを懸念する意見が教育現場や自治体に根強くありました。こうした点を踏まえ、いじめによる自殺など「生命や身体にかかわる緊急時」には、文部科学相は法的拘束力を伴う「指示」ができるようになりますが、未履修問題など「子どもの学ぶ権利が侵害」されている場合は、具体策は自治体の裁量となる「是正の要求」に留め、過度の関与の懸念は払しょくされました。
さらに、公明党は、公立学校と違い、多様な教育機会を提供する私立学校の自主性に十分な配慮を要請。この結果、自民、公明の与党両党は、法案の了承に当たって、教育委員会の私学に関する知事への助言について、「知事は具体的な運用に当たっては私学と協議し、教委は、知事に助言・援助を行う際、私学の自主性を尊重する」ことなどを確認。こうした与党の合意事項は、法案の付帯決議や改正法の施行通達などを通し制度的に担保されます。
今回の法改正にあたり、公明党は、現場の声を最大限尊重するよう強く要望。副校長などの新設に伴う教員の事務負担軽減や、私学、地方分権への配慮を一貫して主張してきました。
また、公明党は3月6日に「緊急提言・現場からの教育改革」を発表し、いじめ、不登校、公教育の充実など教育現場が直面する声を聞き、まとめた具体策を提言。その中から教員が子どもと触れ合う時間の確保などが法案に反映されています。
教育改革関連法案のポイント
○学校教育法改正案
・副校長など新設
・教員の事務負担を軽減
○教員免許法改正案
・10年の更新制
・教員の質を一定の水準確保
○地方教育行政法改正案
・教委の責任明確化
・地方、私学の自主性に配慮
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