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主張救命用の自己注射 救急救命士の使用認めよ

公明新聞:2006年9月20日

「母の会」と申し入れ

 食物アレルギーによる重篤な症状「アナフィラキシー」救命用の「自己注射」(成分名「エピネフリン」、製品名「エピペン」)の救急救命士による使用へ、一歩前進した。常に不安と向き合う患者・家族の期待は大きい。

 厚生労働省の赤松正雄副大臣(公明党)は15日、公明党厚生労働部会、「アレルギーを考える母の会」(園部まり子代表)合同の申し入れに対し「基本的には許可する方向、認める流れになっていく。(「エピペン」の)国内での使用状況、海外の事例などを踏まえて、次の段階にいく。今日、明日というわけにはいかないが、なるべく早くしたい」と回答した。

 救急救命士による薬剤投与については、今年(2006年)4月から心肺停止患者に対する「エピネフリン」の注射が認められている。救急救命士による「エピペン」使用が認められれば、それに次ぐ処置範囲の拡大となり救急医療に新たな一石を投じることは間違いない。何より患者・家族の不安を軽減し、救命効果を高めることが期待される。必要な検討、体制の整備を急ぎ、一日も早く救急救命士による「エピペン」使用を認めてほしい。

 厚生労働省の人口動態統計によると、日本で食物を原因とするアナフィラキシー死は年間、数人程度とされる。しかし米国では主にナッツ類を原因に年間100〜150人程度が亡くなっており、小児アレルギーの専門医は、日本で食物アレルギーに対する正しい理解の普及が十分とは言えない状況では、「原因不明のショック死」の中にかなりの食物アレルギーによるアナフィラキシー死があるのではないかと指摘している。

 アナフィラキシーが致死的な症状に進むケースでは、症状が出てから30分以内に医療処置が施されるかどうかで生死を分けることがある。「エピペン」はそのためのプレホスピタルケア(病院前救護)薬剤として昨年(2005年)3月、公明党の強い後押しで承認された。

 「エピペン」は安全キャップを外して太ももに押し付ければ、誰でも「エピネフリン」を注射できる。ただ多少、力を入れなければならない仕組みのため、小学校低学年の児童や幼稚園児では使用が難しく、また大人でもタイミングが遅れて意識が失われていくようなケースでは使用が難しい。

 「エピペン」を使用できるのが本人と家族に限られる現状では、例えば小学校で、年少の児童がアナフィラキシーを起こした場合、保護者や家族に連絡し、その到着を待つことになる。しかしこうした対応では、「エピペン」があるにもかかわらず、誰も使えずに、アナフィラキシーで苦しむ子どもの助かるはずの命が失われる最悪のケースも想定される。

学校の協力も促す

 学校現場では、「エピペン」を打とうとする児童に「手を添える」などの補助を保護者が依頼しても、「救急救命士にさえできないことを、われわれはできない」という理由で、それ以外のサポートも含めて断られる事例が多い。救急救命士が駆け付けて「エピペン」を打てることが安心材料となり、学校などの積極的な対応を促す効果も期待されている。

 公明党の強い主張で1991年4月に法が成立し日本に救急救命士が誕生してから15年。今では全国で1万7000人を超える救急救命士が活躍している。患者・家族の安全・安心へ、さらなる救急医療の高度化が求められている。

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