ホーム > ニュース > 

主張「こどもの日」の内実豊かに

公明新聞:2006年5月5日

25年連続で減少

 「こどもの日」を前に総務省が4月21日発表した統計(概算値)によると、今年4月1日現在の子ども(15歳未満)の数は1747万人と前年より18万人減り、25年連続で減少、過去最低を更新した。総人口(1億2778万人)に占める割合も13・7%で、昨年(13・8%)並み、32年連続の低下傾向への憂慮は深い。

 「大切だよ 信らいすること されること」。児童福祉週間が制定されて60周年に当たる今年はこの標語のもと横綱朝青龍らによる、こいのぼり掲揚式をはじめ全国416の自治体で877件の行事が多角的に展開されている。が、少子化にとどまらず子どもをめぐる状況は厳しさを増すばかりだ。

 2004年度に児童相談所が処理した児童虐待相談件数に限っても3万3408件(虐待死58人)、虐待死は毎年、50件程度の発生が報告されている。世界的にみるといっそう深刻で、戦乱、貧困、飢餓、災害、疾病、犯罪の猛威は間断なく、子どもたちを襲う。

 中国からわが国に、薬草である菖蒲を使い、子どもの健康を願う「端午の節句」の風習が伝わったのは、奈良・平安時代にさかのぼる。これが、武家社会や軍国主義の社会になると「菖蒲」を「尚武」にかけて、男の子の健やかな成長を願う行事へと変質した。平和憲法のもとで再び、男女共通の祝日となって久しい。

 毎年、「こどもの日」になると、胸がいっぱいになる思い出が浮かぶ。高度経済成長政策の立役者、有澤廣巳氏(元法大総長)に児童手当法成立に期待する意見をお願いにうかがうと、有澤氏は言下にたずねた。

 「一つだけ確かめておきたいことがあります。公明党の児童手当法案は、すべての児童の普遍的権利に根ざしたものか、救貧対策か。どちらですか?」

 「すべての児童の普遍的権利に根ざしたものです」

 「それは人類の尊い財産なのです。わかりました。総理(当時の佐藤栄作首相)にも話して、児童手当制度は、必ず実現します」

 子どもの生命・権利を「人類の尊い財産」と言い切った慧眼と実践力。その思想の背景として、ショパン、キューリー夫人とともにポーランドが世界に誇る教育者、コルチャック先生抜きには語れない。彼の著述、『こどもの権利宣言(ジュネーブ宣言)』『こどもの権利の尊重案』などの提言が、第2次世界大戦の惨禍をへて、国際社会の良心的支柱となった。彼の名を不朽にしているところは、その理論もさることながら、亡命への誘いや助命特赦も断り、200余人の孤児と収容所の死地におもむいた(1942年、64歳)実践の人としての側面が大きい。

 「児童は、人として尊ばれる」「児童は、社会の一員として重んぜられる」「児童は、よい環境のなかで育てられる」(『児童憲章』51年)。先人の血と生命であがなわれた児童観は、児童福祉法(47年)、世界人権宣言(48年)、児童の権利に関する宣言(59年)等の底流を貫く。

健全な成長を支援

 「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」、「こどもの日」の実質的意味を豊かにする大人たちの献身がいま、切実に求められている。公明党は先月27日、「少子社会トータルプラン」を発表した。子どもが尊ばれ健やかに育つ社会の構築へ、全力を挙げる決意だ。

関連リンク

  • 関連する記事は、見当たりませんでした

公明新聞をぜひご購読ください。公明新聞紹介

ページのTopへ