ビッグ対談 「挑戦」のすばらしさを子どもたちに伝えたい
公明新聞:2005年7月24日
海洋冒険家・堀江謙一さん 公明党代表・神崎武法さん
今年6月、東回りの単独無寄港世界一周を達成し、世界で2人目の東西両回りヨット単独無寄港世界一周という快挙を成し遂げた、海洋冒険家の堀江謙一さん。神崎武法・公明党代表と、「チャレンジ精神」「かけがえのない地球環境」などをテーマに語り合ってもらいました。
現役ヨットマン100歳まで
神崎 少々遅
くなりましたが、このたびの単独無寄港世界一周の大成功、誠におめでとうございます。
堀江 ありがとうございます。
神崎 43年前、堀江さんが23歳で太平洋を横断された時、私は大学1年生で、大変に感動したことを今でも鮮明に覚えています。
詩人のサムエル・ウルマンの詩に「ときには、20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。年を重ねただけで人は老いない。理想を失った時にはじめて老いる」とあるように、今回、堀江さんは66歳で、23歳の時と同じ、あるいはそれ以上のチャレンジ精神で新たな挑戦をされ、見事に成し遂げられました。改めて敬意を表したいと思います。
堀江 大変に恐縮です。私は高校時代にヨットを始めましたが、ヨットがあまり年齢を気にしなくてもいいスポーツであることが、今日につながっているのではないかと思います。そういう意味で、100歳まで現役で行きたいなと思っているんですよ(笑い)。
神崎 すばらしいですね。ところで、素朴な疑問なんですが、一人で航海を続けていて、孤独に陥るようなことはないんですか。
堀江 43年前は、ラジオを聞くだけで、太平洋の真ん中で「今日も元気です」と家族に知らせることもできず、寂しい思いをしましたが、今ではアマチュア無線も、衛星電話も、パソコンでインターネットもできる。それに何といっても、たくさんの皆さんの応援が私を支えてくれています。
神崎 奥さまの支えもあったと思いますが。
堀江 「支え」というよりも、賛同を得ないことには動けないですね(笑い)。縦回り世界一周航海の時、そのうちの3分の2は、彼女も一緒に航海し、ヨットの上から“海のエベレスト”といわれる最大の難所、南米・ホーン岬も見ています
。ですから「次はこういう計画で」と了解をいただいて行くわけです。
そして、私と同じ目線で、料理する鍋はこんなのが使いやすい、野菜を切るナイフはこれがいい、とアドバイスしてくれます。ヨットに積み込む食料や衣類についても、全面的にお任せなんです。
資源の有効活用の大切さを発信
神崎 これまでの堀江さんの航海で、私が注目しているのは、ソーラーパワーボート、あるいはアルミ缶やペットボトルを再利用したヨットで航海をされてきたということです。今回も、リサイクル材で建造したヨットで航海し、“限りある資源の有効活用の大切さ”というメッセージを発信されたことは、非常に大きな意義がありますね。
堀江 家庭の主婦の皆さんが、ごみを分別することによって資源になる。それは運動というよりも、モラルですよね。その行動自体が循環型社会につながるわけですから、私たちヨットマンとしても、できるだけリサイクル材を使うのは、モラルの範囲内であり、メッセージを発信することで、一人でも多くの方がそういう意識を持っていただけたらと思います。
神崎 全く同感です。公明党は、6年前に連立政権に参加しましたが、その政権合意で、私たちは「循環型社会の構築」を具体的な政策の柱の一つに掲げました。そして、大量生産・大量消費・大量廃棄の社会から、リサイクル社会へ転換するための基本法をつくりました。さらに、開発などで失われた自然を公共事業などで蘇らせる「自然再生推進法」をつくり、自然を復元する作業が各地で動き出しています。
日本を「環境大国」にするために、また、かけがえのない地球環境を守るため、これからも先頭に立って行動を起こしていきたいと思っています。
堀江 循環型社会をめざすという理念は、私の考えと全くイコール(同じ)と言えますね。
神崎 ありがとうございます。今回の航海で、堀江さんは、多くの小学生たちとメール交換や衛星電話を通じて積極的に交流されていますね。
堀江 昨年(2004年)10月の出航前にも、小学生の皆さんがヨットを見に来てくれました。数十人が一度に乗り込んで、「沈まないの
?」なんて言われましたけれども(笑い)。そして航海中には、たくさんのメールをいただきました。「私たちの学校は『環境宣言』をしました」「ぼくたちの学校にはエコ・クラブがあります」などのメールを見て、環境問題への関心の高さにびっくりしました。
そして今、250日間の航海を終え、メール交換や衛星電話を通じて交流した小学校を一つひとつ訪問させていただいているところです。感心するのは、どこの学校へ行っても、子どもたちからどんどん質問が出てくる。私が小学生のときは、質問なんかしたことはなかった(笑い)。
神崎 私もそうでした(笑い)。小学校では、具体的にどのようなお話をされているのですか。
堀江 夢を「目標」に変えることによって、すべてのことが楽しくなる。例えば、私がヨットで米国に行こうと思った瞬間、英単語一つ覚えることにも力が入るし、体全体からエネルギーが出てきて、楽しくなる。たとえ失敗しても、「体験」が増えることで、今まで見えなかったものが見えてくる。
12年前にハワイから沖縄まで、足漕ぎボートで航海しましたが、最初は人力での航海は無理だと思っていた。しかし、ヨットをやっていくうちに、これは行けるということが見えてくる。考えることも大事ですが、行動することがとても大事だ、ということをお話させていただいているんです。
神崎 なるほど。子どもたちが、堀江さんという本物に出会って啓発を受け、瞳が輝いていく姿が目に浮かんできますね。
私は今、子どもたちにとって、自然との触れ合いの中で生命の大切さを学ぶ環境教育がますます大
切になってきていると思っています。公明党は「環境の党」「生命尊厳の党」として、次代を担う子どもたちのために、私たちが自然と一体の存在であるということを実感できる、そんな教育を一段と進めていきたいと思います。
堀江 なるほど。私も、子どもたちとの交流の中で、チャレンジすることのすばらしさをこれからも伝えていきたいと思います。それが、ヨットでなくてもいいから、何かに挑戦しようというキッカケになってくれたらうれしいですね。
神崎 子どもたちに夢と希望を与える堀江さんの行動には、本当に元気づけられます。
日本は海に囲まれた海洋国であり、海に触れ合うことで自然の大切さを実感することができます。そうした子どもたちの中から、第二、第三の堀江さんが出てもらいたいですね。
堀江 ありがとうございます。これからも日本の舵取り役として、公明党の活躍を大いに期待しています。
神崎 ご期待に沿えるように頑張ります。本日は貴重なお話、どうもありがとうございました。
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