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2012年は日本のLCC(格安航空会社)元年になるか

2011年12月12日

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ここ数年で海外からの格安航空会社(LCC)の乗り入れが増えてきた日本の空ですが、2012年は日本の航空会社と海外のLCCの合弁会社がスタートし、国内線の運賃も本格的な価格競争の時代に突入しそうです。

LCC(格安航空会社)とは

ここ数年で海外からの格安航空会社(LCC)の乗り入れが増えてきた日本の空ですが、2012年は日本の航空会社と海外のLCCの合弁会社がスタートし、国内線の運賃も本格的な価格競争の時代に突入しそうです。

既存の大手航空会社に対して、大幅に安い運賃で座席を提供する航空会社、それが格安航空会社(LCC/ロー・コスト・キャリア)です。多くの会社は新興の企業ですが、最近はLCCの攻勢に押された大手航空会社が合弁で別のLCCを立ち上げる例も増えています。

先日、スカイマーク航空が成田-那覇路線を片道980円で発売するというニュースが話題になりました。PRを目的とした期間限定の料金ですが、それにしても破格の料金です。 さらにジェットスターは成田空港への就航3周年を記念して、12月8日限定で成田と関空発着のケアンズまたはゴールドコースト線の片道運賃を390円に設定。合計で3900席を用意し、ウェブ上で販売するなど、LCCの動向に注目が集まっています。

徹底的にコストを削減

LCCは、航空運賃を低く抑えるために徹底したサービスの合理化をはじめさまざまなコスト削減を実施しています。

たとえば、客を目的地に運ぶ意外のサービス(機内食や飲み物、毛布、枕、イヤフォンなど)はすべて有料にし、預け荷物も無償枠を減らし有料化を増やしています。また、座席指定を廃止し自由席にして手間を省いたり、座席指定は有料にしたり、座席間のスペースを詰め、客席数を増やしています。 航空券の販売はインターネット予約のみとして発券も紙の航空券を使わないEチケットのみ、旅行代理店は使わずに販売手数料を削減します。

さらにキャンセル料は100%(つまりキャンセル不可)。空港もその都市のメジャーな空港を使わず、少し離れた空港を使用することで空港使用料を抑える。空港のボーディングブリッジから直接乗り込むのではなく、離れたところ(沖止め)までバスで行きそこからタラップで乗り込む(空港利用料が安い)。航空機の機体に広告を載せたり機内に広告を掲載する――など、ありとあらゆる方法でコスト削減を図っています。

機材も統一化して出費を抑える

航空会社が使用する飛行機のことを機材といいますが、LCCでは機材も同じものを導入することが多いようです。これは飛行機は機種によって免許が異なるためで、たとえばボーイング747のライセンスを保っているパイロットでもエアバスA330の操縦をすることは許されていません。

メーカーの違いだけではなく、同じボーイング社の飛行機でも747のライセンスで操縦できるのは747だけで他の飛行機を操縦するためにはまた訓練を受けなければなりません。

このため、さまざまな機種を運行するとなるとパイロットの教育に時間とコストがかかることになります。ですから少しでもコストを抑えたいLCCは機材を統一して運行にかかる人件費を節約しようとします。 また、機材を統一することは部品代、整備スタッフの教育など、整備にかかる費用の削減にもつながります。

LCCが対象とする顧客は

既存の航空会社が企業のビジネス客や富裕層、旅行会社が主催するパックツアーなどの顧客をターゲットとしていたのに対して、LCCのターゲットは個人で旅行する人々です。

マレーシアで創業し、いまや東南アジア全域、ヨーロッパ路線までカバーする勢いのエア・アジアの創立者は、「マレーシアの人々がバスのように使える航空路線をつくりたい」と言ったそうですが、その理念は実現に近づいていると言えるでしょう。

その半面、バスには至れり尽くせりのサービスがないようにLCCにも余計なサービスはありません。食事も飲み物のサービスも毛布もなしというのは、バスに乗っていると考えれば当たり前なのですが、既存の航空会社のサービスに慣れた旅客にすれば違和感があるかもしれません。 LCCを利用する時は、乗る側もいままでの考え方を変える必要があるのかもしれません。

日本にも続々就航するLCC

日本にもLCCは続々参入しています。

主なところでは、一時片道5千円で話題になった春秋航空(中国)の高松―上海路線、エア・アジア(マレーシア)の羽田―クアラルンプール路線、ジェットスター航空(オーストラリア)の成田、関西―ケアンズ、ゴールドコースト、シドニー路線など。

ジェットスター・アジア航空(シンガポール)、セブ・パシフィック航空(フィリピン)、済州航空(チェジュ航空)(韓国)、エアプサン(韓国)、イースター航空(韓国)、ジン・エアー(韓国)など多くの航空会社が参入しています。

国内線に参入するLCC

国内線のLCCは、これまでAirDo北海道国際航空、スカイマーク、スカイネットアジア航空、スターフライヤーの4社のみでしたが、2012年からはピーチ・アビエーション(全日空と香港の投資会社との合弁)やエアアジア・ジャパン(全日空とマレーシアのエア・アジアの合弁)、ジェットスター・ジャパン(日本航空とオーストラリアのカンタスグループのLCCジェットスターとの合弁)の各社が加わります。

ジェットスター・ジャパンは、これまでの価格の4割安を目指すと発表しており、実現するとこれまでの鉄道やバス利用に加えて、同じような料金で飛行機利用という選択肢が広がることになります。

このようにLCCの拡大は利用者にメリットも大きいのですが、一方、LCCはコストに対して厳しい面があるので、採算が取れない路線はすぐに廃止になってしまう恐れがあります。地方の自治体などは、活性化のためにLCCの誘致に力を入れるところもありますが、一定数の乗客を確保したり補助金を検討したりと路線の確保には苦労がつきまといそうです。