公明ニュース


新春対談 世界に誇れる日本に再建(2013年1月1日(火)付)

山口那津男代表と黒川清教授


新年明けましておめでとうございます。新春対談は、日本の学術、科学技術振興に精通し、世界を舞台に活躍を続ける黒川清・政策研究大学院大学教授と、公明党の山口那津男代表の顔合わせです。「日本再建」元年となる今年、世界に誇れる日本となるためには何が必要なのか、未来への希望をいかに紡いでいくのか、などについて大いに語ってもらいました。

未来を託す若者よ、自身を磨き社会を変革する「異能の人」に 黒川
経済再生、安心の社会保障構築へ、政治が本気の姿を示す 山口


山口那津男代表 今年は、沈没寸前にある日本を立て直し、再び一流の国へと力強く押し上げていくスタートの年となります。日本再建のカギをどう見ていますか。

黒川清教授 世界は一昨年の東日本大震災、それに伴う東京電力福島第1原子力発電所の事故に非常に驚きました。なぜなら科学技術先進国の日本で起きたからです。その際、現場の人たちの懸命な対応はまさに献身的なものであり、その姿は世界から称賛されました。その半面、政府や東電をはじめとして、社会的に大きな責任のあるトップたちの危機に対する準備の決定的な不足や、組織としてのマネジメント(管理)能力の欠落とそこにある「規制する側とされる側の逆転関係」が浮き彫りとなりました。

山口代表 昨年、黒川教授には、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)の委員長として、原因究明の陣頭指揮を執っていただきました。そして「事故は人災」と断じた結論と七つの提言を盛り込んだ報告書は、海外では「黒川リポート」と呼ばれ、高い評価を得ています。世界は日本がどう変わるのかを注視しています。

黒川教授 「国権の最高機関」である国会に、第三者による独立した調査委員会が設けられたのは、日本の憲政史上、初の出来事です。山口代表からの設置提案も大きな追い風となりました。報告書の冒頭でも書きましたが、福島原発事故はまだ終わっていません。政治はリーダーシップを発揮して提言を具体化していただきたい。また、報告書で指摘したように、私は日本再生のカギは日本の社会構造の転換にあると考えています。

組織のトップが年功序列で決まる仕組みや、一度決まった方針を見直せないなど、日本人は「個人としてどうみられているか」よりも「組織の中でどう評価されるか」を優先しがちです。この日本社会の体質を変えられるかどうかにかかっていると思います。 

山口代表 同感です。この体質が「安全軽視」を生んだ背景でもあります。東日本大震災を教訓としていきたいと思います。また、被災地の復興と併せて、日本再建へ何より重要なのが経済の再建です。政治には、景気・経済を押し上げ、デフレ(物価下落が続く状態)を脱却する道筋をつくり出す使命があります。具体的には、優先順位を決めて防災・減災のためのインフラ(社会基盤)整備に取り組み、仕事を生み出すとともに、金融政策を講じることが大事です。

しかし、これだけでは単純に経済成長に結び付きません。日本のこれからの時代にふさわしい成長の種を植え、実がなるようにしていきたい。例えばエネルギー。日本にある多種多様な再生可能エネルギーの開発・普及を支援していく。あるいは品質の高い日本の農産物、農業技術を世界に売り出す。魅力的な観光資源もたくさんあります。

黒川教授 原発事故とその後の対応は「日本の強み」であった日本の科学技術と民主主義に対する世界からの信頼を大きく揺るがしました。英国の狂牛病の例に見られる通り、信頼回復には時間がかかるのです。そのためには一個の人間として国内の論理だけで考えるのではなく、実際に海外に出掛け、世界は、そこで暮らす人々は何を考えているかに目を向ける。そして現場のニーズ(要望)をつかむことです。日本はそれが足りない。

防災・減災への取り組みはとても大事です。また、日本には、使えるエネルギー源がたくさんあり、さらなる省エネもあります。中長期的には海にも注目すべきです。そして地熱も、水も。残念なのは、日本は「できない理由」を先に見つけては開発を潰しにかかるきらいがあることです。

山口代表 自分の足元を丹念に見ると同時に、世界に視野を広げれば成長のチャンスはいくらでも転がっているということですね。今後はさまざまな分野でイノベーション(技術革新)を起こせる人材を育てることが非常に重要だと感じます。

黒川教授 賛成です。ただ私は、このイノベーションについては単なる技術革新ではなく、「新しい社会的な価値の創造」と言っています。そして、それをできるのは「異端の人」「異能の人」です。創業当時、ホンダやソニーは「異端」と言われました。私はこうした社会を変革できる異端、異能を育てていきたい。その意味で、日本の未来を託す若者たちに期待しています。大いに海外に出て自身を磨いてほしい。日本が変わるチャンスは今しかありません。国民の目線で政策実現に取り組む公明党に、ぜひ頑張ってもらいたい。

山口代表 経済再生、安心の社会保障構築などへ、政治が本気だという姿を、公明党が先頭に立って示していきたい。「被災地の復興が軌道に乗ったな」「新しい日本の活力が芽生えてきたな」と国民が感じられる1年にしていく決意です。

くろかわ・きよし 1962年東京大学医学部卒。医学博士。69~84年在米、カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部内科教授など。その後、東京大学医学部教授、東海大学医学部長などを経て現職。日本医療政策機構代表理事。日本学術会議会長、内閣特別顧問などを歴任。著書は、「イノベーション思考法」「世界級キャリアのつくり方」(共著)など多数。

ツイートする Facebookへシェア


|[3]「生活守る政治」に徹して

2013年1月1日(火)のニュース一覧

本日のニュース一覧

[0]トップページ

(C)NEW KOMEITO