福生市防災食育センターの視察
先週の台風15号に続き、今週末には非常に大きな台風19号が迫っています。
避難する場所の確認や家の周囲の確認をお願いいたします。
11日は、福行市の防災食育センター行政視察に参加しました。
福生市は東京都の西部に位置し、米軍横田基地があり
面積や人口が逗子市と同規模の市です。
小学校の給食センターの老朽化、耐震化になっていないことや
中学校の給食のニーズを考慮し
新しい給食センターの建設を計画していました。
防災時の避難所機能、応急給食にも対応できる施設にする事で
国有地の利用の無償貸与の交渉をし、実現しています。
国の補助金を最大に活用し素晴らしい施設となっていました。
食育施設の機能
市内の小学校7校、中学校3校の給食4000食を調理でき
アレルギー対応給食最大100食を作れる専用調理室があります。
食育施設の最大の特徴は、最新の衛生管理手法を取り入れた施設整備です。
食材の洗浄から、下処理、上処理、調理、コンテナ積み込みまで
効率の良いラインが完成していました。
ライン作りには、給食センターの技能長中心に
職員の意見をまとめ、給食センターの導線を作ったそうです。
また、高水圧ジェット水流での洗浄や微酸性電解水による殺菌で
生野菜の提供も可能になっています。
手間のかかる玉ねぎの皮むきや根取り作業を自動化し
野菜の下処理時間の短縮をしています。
各教室ごとの配送のために保温ができる容器を利用し
温かいもの、冷たいものが届くようになっています。
食育学習のための展示や研修スペースもあります。
防災施設の機能
避難所機能、拠点機能、備蓄機能、応急給食機能が備わっています。
避難所として、市民や帰宅困難者を約310名受け入れ可能になっています。
また、支援物資や応援部隊を受け入れる拠点となります。
食育施設を利用した応急給食物資である米4500㎏と
汁物用の乾燥具材が45000食分を備蓄しています。
電気、都市ガスの使用が遮断された際のために
備蓄しているプロパンガスを都市ガスの成分に近い性質のガスに
変換するPAジェネレーターの設置や
それを利用して発電できるマイクロコージェネレーションが
設置され非常用発電機として活躍します。
100tの容量の受水槽で断水時の利用も確保しています。
各学校に給食を受け入れるためにエレベーターの設置などを含め
全事業費約40億円という莫大な金額がかかった事業ですが
平常時に給食センターとして使い、非常時にも対応できる
将来を見据えた大変に素晴らしい施設でした。
この計画のために何年もかけて積立金を増やし
防衛省と交渉を重ねてきたと伺いました。
今後の逗子市の政策に活かせていきたいと思います。