情報化社会と未来 大人も注意が必要
情報化社会についての考察
メディアの歴史を繙くと、
印刷物の登場で一部の権力者や知識階級の
人間に独占されていた情報は民主化され、
「世論」が生まれ、ルターの宗教改革を成し遂げていた。
メディアの発生は社会構造に大きな影響を及ぼした。
伝達作用は印刷→電信→電話→インターネットと進化し、
特にテレビ、新聞、雑誌、ラジオを集合的に示すマスメディアも、
人々の創造や認知、意識、理解といった過程に大きな影響を及ぼしている。
広く民衆に広がった情報網はマスメディアや一部の人によって
大多数の人が利用される社会へと化してしまう可能性がある。
マスメディアの代表と言えるテレビからの情報は大きな影響力を示している。
テレビの利用時間は若干の減少傾向が見られるものの、
テレビの利用時間数は平日159.4分で
インターネットの100.4分を超え強い影響力を保っている。
思惑や意図が介在しても、どう見せるか、どう伝えるかは自由自在で、
一方的な情報の送り手であるテレビの受け手の立場は疑念を抱きにくく、
躊躇することなく受容する傾向が強い。
世界各国におけるマスコミ報道「鵜呑度」調査では、
日本人は70%で英国人14%その他の主要欧米諸国は
20-35%に比べ信じやすく、
情報操作による世論誘導をされやすい国民性であると考えられる。
テレビの利用率の高いのは30代以上と国民の大半を占め、
世論の形成がテレビでなされる可能性は高いと言える。
コミュニケーション方法の歴史は、人と人の直接的な対話から、
電話などの情報通信ネットワーク、
そしてコンピューターネットワークにと進化した。
スマートフォンの保有世帯は2010年の9.7%から2018年には79.2%となり、
手元にあるスマートフォンによる情報収集がネット利用のメインとなった。
インターネットの利用目的では、電子メールの送受信80.2%、
無料通信アプリなど55.4%と通信関連の利用が多く、
地図・交通情報の提供サービス利用63.4%、天気予報65.8%や
ニュースサイト利用57.8%で生活の利便性向上に役立っている。
企業のインターネットの利用では、クラウドサービス、テレワークの導入、
Iot,AIの利用、SNSによる宣伝、商品の案内、
人材募集などに利用されいずれも効果があり
働き方改革や事業の効率化に役立っている事がわかる。
情報モラルの問題として、
SNSによるいじめや個人情報や誹謗中傷に関するトラブル、
交流サイトでのなりすまし、ネット依存などがあげられる。
対策としてサービス提供企業はトラブル解消を積極的に進めている。
例えばツイッター社では、
攻撃的な行為を目にした利用者がその行為を報告できる機能、
なりすましの防御などを進めており、一定の効果が出てきた。
メディアの特性や傾向にコントロールされている事や悪意によるトラブル、
情報の異常なほどの拡散など未知の問題が山積してはいるが、
ICT社会、情報化社会は広がっていくことは止めることはできない。
インターネットの情報は一方的に受けるだけでなく、
発信することが出来る機能を持っている。
また、グローバル化を進展する機能も伴い、
世界の情報をいち早く入手し、
映像により身近に感じることが出来るようになった。
情報の使い手が正しく有効な情報の発信者となり、
共生社会をリードする事も可能である。
膨大で多様なマスメディアのメカニズムを
正確に知り批判的に情報を理解するメディアリテラシー教育を進め、
同時に大人にも浸透させていくことが重要である。