ろう者の歴史を学ぶ上映会
神奈川県聴覚障害者協会主催の
ろう者の歴史を学ぶ上映会(2本立て)に参加しました。
『卒業~スタートライン~』は
今から約50年前にあった本当の京都のろう学校の話。
半世紀前のろう教育は、口の動きを見て会話を理解する口話が主流であり
授業が理解できない生徒も多かった。
ろう学校の中で手話を使うことは禁止され、
手話をしているのが見つかると手を叩かれたり、
罰としてバケツを持って廊下に立たされたり、
運動場を走らされる場合もあった。
学校の言い分は
「手話を使うと口話の勉強をしなくなる」
「口話ができないと卒業して社会に出たときに困るのは生徒たちだ」
「和裁や洋裁、木工、理容など手に職をつけて、可愛がられるろうあ者になりなさい」
生徒たちは
「わかる授業をしてほしい」
「差別の中にいる私たちは何のために勉強するのか」
「先生は僕たちから逃げないで欲しい」と
訴えるがその都度、先延ばしされる。
生徒たちは話し合いを重ね、ついに「授業拒否」という決断をする。
昭和40年11月、その日生徒たちは起ちあがった。
昭和41年3月3日の「耳の日」に、ろう者への人権尊重や
教育の民主的な発展、成人ろう者の社会的地位の
向上などを訴える声明へとつながっていくのであった。
『段また段をなして』は
全日本ろうあ連盟が2017(平成29)年に創立70周年を迎えるにあたり、
70年の歴史を紹介するドキュメンタリー映画を製作した。
連盟は1947(昭和22)年に群馬県伊香保温泉で創立以来、
先人たちは差別や偏見と闘い、運転免許獲得運動、
手話通訳制度化運動、差別法令撤廃運動など、
石段を一段ずつ登るように運動を重ね、
ろう者の人権を獲得してきたこれまでの運動の歴史を紹介するとともに、
運動の基盤である「仲間・組織」の大切さを訴える内容になっている。
ろうあの世界を一つにと全国のろうあ者が集まり
ろうあ者の大切な言葉である手話をあざ笑う偏見に満ちた当時の社会に
「手話はいのち」と運動してゆく。
また、聞こえない事を運転免許の欠格事由とする道路交通法88条改正へ
手話通訳士の誕生と手話通訳派遣事業・設置事業の開始と勝ち取っていく。
今まで積み重ねてきたろうあ運動で、
現在は全国で「手話言語条例」が280自治体で成立するようになった。
ろうあ者が差別と戦った歴史は、社会を大きく変革したのではないだろうか。
現在は、内閣府でも「共生社会」を実現すると
皆で子供や若者を育成・支援し、年齢や障害の有無等にかかわりなく
安全に安心して暮らせることが必要と謳っている。
公明党も2016年9月に政策ビジョン「新・支えあいの共生社会」を発表した。
私自身も手話の勉強を進めると共に、
支えあいの社会に向けて探究し実現出来るように頑張っていきたい。