引きこもり・不登校には理由がある
内閣府の2018年調査で40~64歳の中高年のひきこもりは
全国で推計61万3000人に上った。
2015年に実施の15~30歳の若年層のひきこもりの推計54万人を上回っている。
調査では20歳以上で引きこもりになった人が大半を占め
ひきこもり期間5年以上が約半数を占め長期化も鮮明になった。
一方、文科省の発表によると、2018年の不登校の子どもの数は
5年連続で増加し、16年ぶりに過去最多を更新した。
不登校の子どもの数は約14万4000人。
小学生の不登校は約3万5000人、中学校は約10万9000人。
小学生の不登校は前年度比15%アップと近年でも上り幅が大きく
少子化の中で不登校になる割合はどんどん高くなり
統計史上、子どもの数が過去最低となるなかで、
不登校は過去最多を更新している。
また、日本財団が2018年に発表した学びに関する中学生への実態調査では
登校しつつも学校になじんでいない「隠れ不登校」といえる中学生は
推計で約33万人に上がった。
20歳以上でひきこもりになった遠因と考えることができるだろう。
更に言えば、厚生労働省がまとめた2017年人口動態統計で
戦後初めて10~14歳の死因の1位が自殺となった。
不登校が増えている要因について
文科省は原因を特定することは難しいとしているが
不登校やひきこもりになったり、自殺にまで追い込まれる原因を
究明しなければ本当の問題解決にならない。
全国で引きこもり支援の団体、NPO、家族会などが相談にのったり、
最近になり自治体でも支援センターをつくり支援を開始するようになった。
本人や家族の悩みを聞き、共感し信頼関係をつくり変わることが出来る。
また、やりたいことが見つかるとあっという間に能力を発揮できるという。
不登校についての考え方も、
28年12月に議員立法で成立した教育機会確保法制度により、
「無理に学校へ行かなくてもいい」という考え方が浸透してきた。
不登校が問題行動ではないという考え方が浸透し、
学校側も登校を促さなくなった。
教育機会確保法の基本理念には
全児童生徒が豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、
学校における環境の確保とある。
全児童生徒が安心して豊かな学校生活が送れる環境とは
どのような環境だろうか。
米国の難関校スタンフォード大学に3人の息子を送り出した
アグネス・チャンさんは自書の中で
日本の公教育は人工知能(AI)の普及する時代にはそぐわないと指摘している。
「学校や親が求めるのは良い成績を取り、言うことを聞く子。
そんな考えはもう古い
人が手掛けている仕事も、いずれAIに取って代わられる可能性がある。
AIと張り合ってみても情報処理能力ではかなわない。
人間らしさで勝負すべきです。」
ひきこもりの方が人に関わり、好きな事を見つける事で解決したように
子どもが自分らしく生きてもいいんだと思える環境を作ることで
のびのびと育ち、自ら得意なものを見つけ、社会で自分の居場所を見つける。
きっと不登校やひきこもりをする必要がない社会になるだろう。