スウェーデン大使館でのシンポジウム
スウェーデンでは花粉は医療分野の研究が盛んですが、
日本では健康分野で科学的な研究が進んでいます。
スウェーデン大使館にて専門の先生方による研究の発表が行われました。
長年のライフスタイルが原因となる疾病…生活習慣病。
種類としてはかなり多く…。
糖尿病 脳卒中 心臓病 脂質異常症 高血圧
肥満(メタボリックシンドローム)などが発生し、
がん 骨粗しょう症 腎臓病 肝臓病 心筋梗塞
慢性疲労症候群なども発病する危険性があります。
発症してから対処するのが現在の医療ですが
動脈硬化などは10代から始まっている現実があります。
シンポジウムの内容は
現代医学による手術、化学薬品、放射線といった手法だけは解決しない
心身の疾病、予防と改善をテーマにしていました。
健康寿命の延伸が高齢社会では大変に重要な課題です。
最後まで幸せを感じていられるか。
そんな暖かさがスウェーデンの社会にあると感じました。
また、気質として「高品質」というのがすべてにおいて優先されます。
経済優先の日本の価値観と違いますね。
高福祉・高負担の国で知られるスウェーデンが
実は「寝たきりゼロ」社会だとご存じですか。
幸福度調査でも常に上位にランクインしていますが、ちなみに日本は21位。
国民の所得全体に対する社会保障費と税金の割合を示す「国民負担率」を見ると
スウェーデンの負担率は58・9%と日本の43・4%を大きく上回っています。
消費税は25%。現在の日本の3倍の負担ですが、軽減税率も導入されており、
食料品や宿泊費は12%、
公共交通、書籍・新聞、コンサートやスポーツのチケットなどは6%です。
ある施設には40人ほどのお年寄りが暮らし、8割以上が認知症を患っています。
寝たきりになっている人は一人もいません。
自分の力で起き上がれない人でも、
毎朝必ずスタッフが手伝って車椅子に乗せます。
そして食堂で一緒に食事を楽しむのです。
80歳以上のいわゆる後期高齢者で、
在宅で介護サービスを受け続けることが難しいほどの要介護状態。
しかし、車椅子に乗っている人でもきれいな服に着替え、
パジャマでうろうろしているような高齢者はいない。
日本の後期高齢者が集う施設に比べるとずっと穏やかで、明るい雰囲気。
何よりも本人の意思が一番に尊重され散歩に出るのでも
普通は誰かが付き添いますが、どうしても一人で散歩したいという人は、
家族の同意のもと、GPS付きの携帯を持たせて出かけるのを許可します。
それで本人が事故に遭ったとしてもあくまで自己責任なので、
施設の責任が問われることはありません。
スウェーデンでは要介護状態になったら、できるだけ在宅での介護が行われます。
介護付きの特別住宅に入りたいと申請しても、
本当の人生の終末期にしか施設に入ることが許さないそうです。
日本だったら確実に施設に入っているような認知症の高齢者でも、
在宅介護が行われ、症状や要介護状態に応じて、
一日に5度も6度も介護士がやってきていろいろと面倒を見るといいます。
高齢者の介護をすべて税金で見るのは限界があり
施設で24時間介護を行うよりも、
在宅で何度も介護士を派遣するほうが結局はコスト的に安く上がるため、
在宅介護が推奨されます。
しかし結果として寝たきり老人の発生を防いでいる。
寝たきりになってしまえば在宅介護は不可能になるからです。
健康と高齢化政策。
切っても切れない仲ですよね。
スウェーデン方式は子育てや社会参加、他にも参考になる政策があります。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45510
大変に勉強になりました。