7月9日、10日、11日

香川県丸亀市  平成30年7月9日
【視察事項:川西地区の防災まちづくり活動について】
質問事項
・川西地区自主防災会ならびに川西地区地域づくり推進協議会の位置づけと設立の経緯について
・防災活動における具体的な取り組みについて
・内閣総理大臣賞を受賞した主な要因について
・活動の効果、課題について
所感
丸亀市川西地区自主防災のまちづくりについて視察し、活動から学んだことは、「我命、我地域は、我々の手で守るしかない」という地域をまとめるリーダーがいることが大事なポイントであると感じた。また、行政に依存しない方向で企業や大学の協力を得て、あくまでも自主自立型で、活動を推進している事や、地元小学校での防災教育の取り組みが、子どもたちへの「防災文化」の形成につながっていることも素晴らしいと感じた。真剣な防災活動の実践から多くの事を学び大変に貴重な視察であった。
平成14年4月からの主な取り組みは「わが街はわが手で守る」を思いに「人づくり」「物づくり」「絆づくり」の展開 である。
人づくり:(1)学校での防災教育 (2)訓練 (3)研修 (4)普及・啓発活動
物づくり:(1)防災機材、備品食品の整備 (2)資機材の維持管理
絆づくり:(1)災害時要援護者支援 (2)企業・団体との連携(3)広域連携(4)広報活動
当市でも自主防災組織を今後どのように進めていくかは、課題である。現在、地区交流センター化のまちづくりが進められているが,災害が起きた時に、早急に対応できる体制が取れるような、地区の具体的な防災マップを作成するなどの取り組みが必要と感じている。そのためには、防災意識を高め、リーダーの育成に力を入れることが大事である。最近の異常気象により、防災意識は大変、関心が高いと感じている。特に、地域防災の在り方を検討し、身近な「向こう3軒両隣」の助け合いの精神が機能するような防災のまちづくりを進めるべきであると感じた。


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愛媛県西条市  7月10日
【視察事項:ICT教育推進事業について】
質問事項
・事業開始の背景、経緯について
・主な特徴的な取り組み ハード、ソフトについて
・2018日本ICT教育アワードを受賞した主な要因について
・学習指導要綱改訂に伴うプログラミング教育必須化との関連について
・事業の効果、課題について
所感
西条市では、平成27年度から先進的なICT教育推進事業を本格的に進めている。小学校26校、中学校10校に「電子黒板・デジタル教科書類」や「総合型校務システム・テレワーク」、「児童・生徒用タブレットPⅭ活用」等である。
ICT支援員(11人)が、先生方の授業の内容や準備をサポートして下さり、重要な役割を果たしている。校務支援システムの導入にあわせて、小中学校出席簿の統一や、成績処理、保健室業務などの、記載すべき情報を必要最低限に絞り、作業効率の向上を図り、スマートスクールをめざす。
玉津小学校のICT授業の取り組みを視察した所、すべての教室に電子黒板が設置され、授業が行われていた。先生方からは、「電子黒板を使った授業で授業の幅が広がり、子どもたちの学習意欲も、大きく高まったのを実感している。」との声や、ICTを活用した学力の向上については、平成28年度末、4年目の累計結果として、全国平均11,0ポイントアップし、校務にかかる時間の114,2時間と短縮させることができ、子どもたちとの触れ合う時間が多くなったとの感想をいただいた。西条市の特徴的な取り組みとして、学校間の教室を繋ぐ合同授業を行う「バーチャルクラスルーム」の実現である。
横手市では、児童生徒の減少により、小規模校が増える中で「学校統合」を選択してきたが、西条市は統合をしない方向で、ICT教育で小規模校の教育の質の向上を図ることで「地域の学校」を存続させている。必ずしも、最初から「統合ありき」ではない選択肢もあることに知った。これからの学校統合の中で、子どもたちにとってどのような環境の中で、勉強することが良いのか、議論が必要と考える。今回の視察を通じて、ICTの活用は必須であり、逃れることはできない時代に到達していることを改めて痛感させられた。第3期教育振興基本計画では、2020年度までに、小学校ではプログラミングが必修となることから、今後のICT教育の取り組みについてのチェック機能を果たしていきたい。

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愛媛県松山市 7月11日
【視察事項: 坂の上の雲ミュージアム】
調査事項「坂の上の雲」まちづくりについて
・事業開始の背景、経緯について
・主な特徴的な取り組み(ハード、ソフト)について
・事業の効果、課題について
目的
横手市増田地域は、漫画家の矢口高雄氏の出身地であり、まんが美術館を核に、まんが文化の振興を推進しているほか、うち蔵が現存する昔ながらの街並み(重要伝統的建造物群保存地区)を生かしたまちづくりに力を入れております。今回の視察では、貴市の「物語が感じられるまちづくり」の取り組みを参考にさせていただきたい。
所感
松山市では、小説「坂の上の雲」の3人の主人公が抱いた高い志とひたむきな努力、夢や、希望をまちづくりに取り入れている。新しい物を作るだけではなく、地域の古くから培ってきた既存の地域資源を最大限に活用し「物語」が感じられるような「小説」を活かしたまちづくりである。
坂の上の雲ミュージアムは、安藤忠雄設計の鉄筋コンクリート、地下1階地上4階の建物である。市民主体のまちづくりでは、地域資源の利活用に主体的に取り組もうとするNPOや、市民団体に対し※フィールドミュジアムサポート委員会が支援を行い官民によるまちづくりが進められており、これまで42団体の活動支援を行っている。また、「地域の宝みがきサポート事業」は、まちづくり協議会または、公民館が、地域の宝(地域資源)の利活用や、情報発信を目的とした開設板、案内看板アクセス整備等を行う場合の整備費用として1地区につき上限30万、補助率10分/10とし官民一体のまちづくりが進められている。これまで年間の観光客数は、平成11年をピークに減少していたが、ドラマが始まった頃から600万人に回復した。
坂の上の雲ミュージアムの管理は、指定管理だが、展示は松山市で企画するなど使用書で業務を定め、すべて委託はしてはいないとのことであった。当市の、近代的なまんが美術館と、うち蔵が現存する昔ながらの街並みをどのように連携し発信するかはこれからの課題であるが、運営の在り方なども含め今回の視察から学ぶことが出来たと思う。また、まちづくりの主体は市民であることを再認識し、「地域の宝みがきサポート事業」などを取り入れてはどうかと思った。ますます過疎化が進む中で、官民一体となったまちづくりをもう一度、検討する必要があると感じた。最後に、心のつぶやきとして、世界一のまんが美術館にするためには、任せきりではいけないということ。より一層の工夫と、もう一度来てみたいと思わせるおもてなしが大事である。素晴らしいと感じた喜びも最後のデザートがまずければ、一瞬にしてがっかりしてしまうこともある。最後まで、素晴らしいと感じて帰っていただくためのストーリを考えてみたいと思った。松坂市のミュージアムのすぐ近くには、国の重要文化財指定を受けているフランス風の館「萬翆荘(ばんすいそう)」があり、ほんの数分間、立ち寄ったがどのような物語があるのかもう一度行ってみたいと思った。

※フィールドミュウジアムとは、博物館の「箱もの」に展示物が入っているというスタイルではなく、地域の自然や人々の営みそのものを博物館とみなし、研究・保全・普及という博物館的活動を通じて社会的にも経済的にも活用を図ろうという構想である。

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横手市 土田百合子