公明党 豊中市議会議員 酒井哲也 (さかいてつや)

平成29年12月 本会議個人質問

平成29年12月  本会議個人質問

 

①みらい創造都市への取り組みについて

(1問目  質問)

通告順に従い、公明党議員団1番目の質問を行います。
はじめに、「みらい創造都市への取り組みについて」お尋ねします。

今般の12月定例会において、第4次豊中市総合計画基本構想が策定されました。これは第3次総合計画の目標年度を前倒しして、今後の将来において豊中市を取り巻く課題や社会情勢の変化に柔軟に対応したまちづくりを進めるために策定を進めてきたところであります。この第4次総合計画基本構想では、平成39年度に実現する「まちの将来像」として、「みらい創造都市 とよなか」(明日がもっと楽しみなまち)と設定されているわけであります。

そこで淺利市長にお尋ねしますが、この「みらい創造都市 とよなか」を目指して、今後の豊中市のまちづくりをどのように推進されようと考えておられるのか。市長のご見解をお聞かせください。一問目を終わります。

 

(1問目  答弁)

公明党議員団·酒井議員さんのご質問にお答えします。本市は、交通利便性に優れる立地特性や、高い市民力·地域力を活かし、これまで教育文化都市、良好な住宅都市といったプランドを築き上げてきました。これはひとえに、市民,議会の皆さんをはじめ、事業者や地域の活動団体など多くの方々のご協力とご支援、そして諸先輩方のたゆまぬご努力の賜物であります。この本市の特性·強みともいえるまちの財産を今後とも維持.発展させ、多くの皆んに愛されつづけるまちを創っていくことが、私に課せられた責務であると考えております。
そうした思いのもと、私は、基本理念として掲げてきた「子どもたちの未来が輝くまちづくり」の実現に向け、これまで、さまざまな施策に取り組んでまいりました.一方、少子高齢化の進展をはじめ、ライフスタイルの多様化、情報化社会の進展、施設の老朽化、自然災害など、本市を取りまた社会環境の変化もこれまで以巻く今日的課題は多様化し、また社会環境の変化もこれまで以上に早くなっています。特に、情報化のめざましい進展は、人とのつながりや、まちのあり方そのものに大きな影響を及ぽす「新たな課題」とも言えます。こうした諸課題に対して、私は、多様な人々がお互いを認め合い、それぞれの力を活かして創意工夫し、何事にも果敢に取り組めるまちづくりを推進していきたいと考えております。これが、第4次豊中市総合計画·基本構想で掲げるまちの将来像「みらい創造都市 とよなか」の実現につながると確信しております。

 

(2問目  質問)
只今は市長より力強いビジョンを示していただきまして、未来が開ける思いがいたしました。今後においてもしっかりと議論をして進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
さて、これまで連続して本会議一般質問の場で、これからのまちの更新をはかっていくためにバーチャルリアリティを活用して、仮想空間にまちの将来像を描いて目で見てわかる、あるいは体感できるといったビジョンを示して、市民の皆様のご理解をいただく努力を行い、そして民間活力の活用をいっそう推進していくことが大事ではないか。そして更にはこれらの手法を大学や事業者などの公民学の連携で行うべきではないかと申し上げてまいりました。私は以前にこのバーチャルリアリティを活用したまちの新たな更新に取り組むある外資系企業のセミナーに行ってまいりました。そこでは海外の中心市街地や国内の市街地での整備事業に活用してきたという実例の紹介があり、私自身その技術の素晴らしさに大変に驚いたという事と、将来の可能性を確信した次第ですが、その席上で、実際にこの手法を活用し実現したある政令市の前副市長さんがゲストとしてご挨拶をされていたことが大変印象に残っております。それは「まちの再整備自体を失敗してしまうと、取り返しのつかないことになってしまう。しかしバーチャルリアリティの仮想空間でまちの将来の姿をつくり出すことによって、あたかも自分がその空間の中に居るといった実感をする事ができるので、そこで「このまち整備は失敗だ」となってもやり直しが効く。これが最大のメリットだ」とおっしゃられていたことに目からウロコが落ちる思いがしました。また更にはオープンデータを組み込むことによって、その整備事業はどのような効果をもたらすのかを示すことも評価する事もできるというのがこの手法であります。豊中市もぜひこのシステムを導入して、特に南部地域全域の新しいまちの更新へのビジョンを示していただきたいと思います。そこでお尋ねしますが、今後はこのバーチャルリアリティの活用は考えておられるのか理事者のご見解をお聞かせください。二問目終わります。

 

(2問目  答弁)

南部地域の活性化をはじめ、これからのまちづくりにおいては、検討段階から市民や民間事業者からのアイデア等を活用したト-タルデザインによるまちづくりと、誰もが自発的にまちづくりに参加できる環境づくりが必要と考えております。そのためには、まち全体がどのような姿になるのかを、市民の皆さまに、できるだけわかりやすく、具体的にお示ししながら、議論を深め、まちづくりのイメージを共有していくことが重要です。バーチャルリアリティはその点において有効な手段の一つと考えており、今後とも、技術動向の把握や情報収集等に努めてまいります。

(3問目  意見要望)
三問目は意見要望とします。ご答弁にもありましたように、現在も情報収集してくださっているということですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。これからのまちづくりにおいては、社会情勢や環境の変化にも柔軟に対応し得るといった、まさしく持続可能な都市構造及びまちの更新につなげていかなければならないと考えますし、私はこの「柔軟性」という言葉が、これからのまちづくりの上で大きな意味を持つことになると思っております。バーチャルリアリティーはそういった意味では、ハード面においてもソフト面においても、柔軟にビジョンとしてあるいはデータとして示せる大変有効なツールであると考えます。ぜひ更なる調査研究を行っていただくとともに、本市の資源ともいうべき民間事業者さんや大学の皆さんにもご協力いただいて、豊中市のポテンシャルを最大限に活かしきったまちの更新を推進していただきますよう重ねて強く要望して、この質問を終わります。

 

②重度の身体障害者・難病患者支援について

(1問目  質問)

次に、「重度の身体障害者・難病患者支援について」お尋ねします。
これまで何回か取りあげさせていただいた「重度障害者の入浴支援」ですが、現在は訪問入浴サービスと施設入浴サービスとあります。そのうち施設入浴サービスについては、市立障害福祉センターひまわりに機械式浴槽がありまして、市内の方が年間818回ご利用になられていると伺いました。

しかしながら、重度の障害者であるご本人が日中お仕事に頑張っておられる場合や、夏場のような暑い季節などにおいては、日中に機械式浴槽のある施設を利用するよりも、夜間に利用ができればこれほどありがたいことはないとのお声をこれまでにお聞きしてまいりました。この間議会で取り上げさせていただく中で、例えば身近な介護施設で夜間の入浴ができないものか。あるいは現存の障害者施設で夜間の入浴の実施ができないものかと申し上げてまいりました。その都度理事者からは制度の壁の問題があるという事と、介助員の配置の問題など、夜間の施設入浴サービスの実施については課題が大きいとしながらも、今後においては他市の事例も参考に研究していきたいとご答弁をいただき、現在もご検討いただいているという事をお聞きしておりまして、率直に感謝申し上げたいと思います。
そこでお尋ねしますが、重度の障害者やあるいは重度の難病患者、またそのご家族においての夜間施設入浴サービスの実施についてのご要望およびニーズについてはどのように受け止めておられるのかお聞かせください。また本市における課題としてはどのようなものか。更には今後の可能性についてお聞かせください。一間目終わります。

 

(1問目  答弁)
身体的に重度の障害のある方々に関わる夜間を含めた施設入浴回数の増加等を望まれる声がある中、保健衛生の向上と福祉の増進の観点から、本市では平成27年度から、訪問入浴の利用回数を、それまでの週1回利用から週2回の利用に改定し、福祉サービスの向上に努めてきたところです。一方、身近な介護施設の利用や夜間における施設入浴につきましては、引き続き制度や人的配置の課题がある状況でございます.しかし、本年3月に策定いたしました『豊中市地域包括ケアシステム推進基本方針』に基づいた制度間の柔軟な連携を進めるとともに、障害福祉センターひまわりでは事業再構築を前提とした施設改修を次年度に行う予定としており、その中で限られた社会資源を有効かつ公平に活用するため、利用者のニーズに沿った時間や曜日の工夫などで対応ができないか調整·検討して参りたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

 

(2問目  意見要望)
二問目は意見要望とします。答弁了解しました。様々な課題がある中、利用者のニーズに少しでも応えようとしていただいておられる姿勢に本当にありがたく思います。今後の取り組みを見守りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。以上でこの質問は終わります。

 

③民間活力の導入について

 

(1問目  質問)

最後に「民間活力の導入について」お尋ねします。南部地域・庄内地区のまちの更新については、民間の事業者さんのご協力がなによりも必要不可欠であり、どのようにこの力を引き出していけるかが、持続可能で活力あるまちづくりを実現していくための大きな鍵となると考えます。そこでこれから第4次豊中市総合計画で新しいまちの将来像が示されることに合わせて、今現存しているまちなみから、新たに地域に価置を生み出させる施策を実施し展開させる事で、まちの更新へといっそう加速させる事が可能になると考えるところであります。ではその新たな地域の価置を生み出すものは何かと言えば、これまでにも申し上げているとおり、私は地域でのエネルギーマネジメントの構築、いわゆる仮想発電所事業の実施であると申し上げたいと思います。

具体的には、太陽光発電など地域の発電設備と蓄電池や電気自動車など、電気を蓄える設備をインターネットで結び、これを効率よくマネジメント管理することにより、電力の地産地消を可能とし、その地域に住むお家の電気代の大幅な削減を可能にします。そんなまちの更新が進めば、若い世代の方々も大阪の中心地に近いといった利点もあり、大変注目されると思いますし、高齢者にも優しいまちにすることができます。特に大きなプラントや施設がいるわけでもないので、大手ハウスメーカーが実施している自給自足型の住宅、いわゆるZEH(ゼッチ)を普及させていくように、民間事業者さんが参入していただく事によって、これまでなかなか進まなかったまちの更新へとつなげて行く事が可能であると考えます。そこでお尋ねしますが、これまで述べてまいりました仮想発電所事業の実施の可能性については、本市としては現在事業者さんにも呼びかけていただいたり、調査研究も行っていただいているという事ですが、まずはモデル地域を検討していく事が大事ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。また国が推進している実証実験の補助事業を活用していく事によって、ご参入いただく事業者さんへのインセンティブ効果とすることも一つの方法だと思いますが、この点どのようにお考えか理事者のご見解をお聞かせください。一問目終わります。

 

(1問目  答弁)

民間活力の導入についての2点のご質問にお答えいたします。まず、仮想発電所事業のモデル地域の検討についてですが、従来は、火力発電所の稼働、停止等で行ってきた電力の需給調整を、家庭のエアコンや給湯器、工場·ビルの空調や自家発電機、蓄電池、太陽光発電などをインターネットに接続し、一括制御することで行い、あたかも1つの発電所のように機能させる仕組みの構築を目指す仮想発電所の実証実験は、低炭素社会の実現を図るための必要な技術革新の一つであると認識しております。実証実験は、実証したい内容を事業者が計画的に行うものであることから、市として協力できる部分があるのか、今後とも事業者の動向を注視するとともに、引き続き調査研究してまいります。次に、国の補助事業の活用についてですが、仮想発電所の実証実験を行っている事業者は、平成28年度に引き続き平成
29年度も経済産業省の補助事業の採択を受けて、仮の実証実験を行っているところです。このことから、国の補助事業は実証実験を行う上で、インセンティブ効果があると考えております。

 

(2問目  意見要望)

二問目は意見要望とします。
現在我が国では通常、電力需要が供給を上回った際には、火力発電を稼働させ供給不足分をカバーしているということですが、仮想発電所事業を利用すると、蓄電池で貯めた再生可能エネルギーの余剰供給、つまり余った電力を不足分に充てることができるということであります。要するに燃料費が高い火力発電を抑えることができ、また無駄になっていた再生可能エネルギーによる電力を最大限に活用することで、電力の需給バランスを整えることができるということであります。今近畿圏内においても、例えば京都や滋賀に事業所を持つ企業が、小規模な太陽光発電設備や蓄電池、家庭用機器などをまとめて制御して運用するといった仮想発電所の実証事業が行われているようであり、またある大手企業では、実証実験を先行実施してきた首都圏や中部、九州の計400世帯のデータによると、制御技術は確認できたということで、今後においては仮想発電所事業向けの機器の開発に生かしていくとった段階になっているようであります。豊中市においてもぜひ事業者さんが実施していただけるように、例えば産業界や金融業界などからご理解ご協力いただけるよう環境整備を進めていくことについても検討していくべきではないかと思いますので、ぜひご検討いただきますよう要望しておきたいと思います。どうかこれからも調査研究を行っていただいて、市民の皆様がより安心してお住まいいただける、活力あるまちづくりが推進できますよう、しっかり取り組んでいただきたいと申し上げて、以上で公明党議員団7番目の質問を終わります。