輸入軽油を利用した脱税手口。全国の道府県と連携して、広域的、組織的な対応が必要。主税局、課税部、徴収部合同の対策本部を設置いたしまして、税関などからの輸入情報を収集す。

〇長橋委員 私の方からは、何点か脱税についてお伺いします。
 私は、前回、九月の財政委員会におきまして、自動車税のグリーン化に関連しまして、大気汚染の元凶の一つでもあります、また脱税にもつながっている不正軽油を一掃するための取り組み、いわゆる不正軽油撲滅作戦についてお伺いをいたしました。
 その答弁の中でも、この作戦は、組織の枠を越えて全庁各局が一体となって、民間の五団体や他の道府県と連携しながら、全国規模で多面的な作戦を展開した、十月には路上検定もした、こういうふうにお伺いしまして、本当に、脱税防止だけではなく、環境問題を視野に入れた作戦であるという報告を受けたところでございます。
 その中で、本当に、私もテレビを見させていただいて、知事がいっておりましたけれども、職員が大変なご苦労をして一生懸命取り組んでいることも聞いております。ぜひ今後とも、不正軽油を撲滅するために、これまでの取り組みを、さらに手を緩めず頑張っていただきたいと思っているところでございます。
 ところで、平成八年の特石法、特定石油製品輸入暫定措置法の廃止以来、だれでも自由に石油製品を輸入できるようになりました。そのことから、多くの中小業者がこの石油の取引に参入する中で、混和による脱税だけではなくて、軽油を輸入しても軽油引取税を納めない、こういう悪質な業者が増加していると聞いております。
 そこで、何点か軽油をめぐる脱税問題についてお伺いをしたいと思います。
 まず初めに、特石法廃止以来、輸入軽油を利用して脱税がどのような手口で行われてきたのか、具体的にお聞かせをいただきたいと思います。

〇吉田課税部長 元売業者と特約業者以外の業者、いわゆる石油ブローカーが、当初は、地方税法上の軽油を粗油と偽って輸入しまして申告納付をしない、粗油脱税事件がございました。
 平成十一年度に地方税法が改正されまして、期限内に申告しなければ、それだけで罪となる故意不申告罪が制定されましたが、この罪を逃れるために、軽油を輸入して保税地内でペーパーカンパニーに譲渡し、申告はするものの意図的に滞納する、事実上の脱税である申告不納付事案が横行いたしました。

〇長橋委員 申告しても滞納する、申告しないで滞納と、いろいろな手口で輸入されているようですけれども、これまで脱税を目的とした軽油の総輸入量はどれぐらいあるのか、また、その脱税額はどの程度見込まれていらっしゃるのか。また、そのうち東京における輸入量及び脱税額の見込みはどれぐらいになるのか、お教えいただきたいと思います。

〇吉田課税部長 都が税関、通関業者、油槽所などを通じて入手した情報によりますと、平成十一年夏から平成十三年五月までの間に、全国で約二百五十万キロリットル、軽油引取税にいたしまして約八百億円が脱税されたと推測しております。また、同じ時期に、東京都分でございますが、約十九万キロリットル、軽油引取税額で約六十二億円と推測しております。

〇長橋委員 八百億円、大変な脱税額、また輸入量であるわけでございます。この輸入軽油の脱税を防ぐためには、本当に東京都だけの取り組みでは難しいと思いますし、全国の道府県と連携して、広域的、そして組織的な対応が必要であると思います。
 東京都はこの全国的な課題に対しまして、他の道府県とどのような連携を図って、またどのような取り組みをしてきたのか、お願いをいたします。

〇吉田課税部長 輸入軽油の脱税が活発になり始めた平成十一年十一月、各県の連携を密にし、情報の共有化を図るため、関東一都五県により不納入事案連絡協議会を設置いたしました。その後事案が全国に波及したことに伴い、平成十二年十一月には四十六都道府県へと拡大いたしました。
 協議会での情報交換等によりまして、平成十二年十一月には、関係県と連携して、輸入脱税事案としては全国で初めてとなるブローカーグループに対する強制調査を実施したところでございます。

〇長橋委員 今お答えのあったとおり、都が主導的に取り組んで、抜本的な解決策を国に要望するなどして、その結果が、本年度の地方税法が改正され、いわゆる蔵出し課税が制定されたと聞いておりますけれども、この法改正の概要と、そしてまた都としての評価をお伺いいたします。

〇吉田課税部長 法改正前の軽油引取税の申告納付期限は、輸入軽油を譲渡した月の翌月末でございました。これが改正後は、元売業者と特約業者以外の者が輸入した場合、輸入のときが申告納付期限とされました。このことによりまして、通関時に納税がなかった場合には直ちに輸入軽油を差し押さえることが可能になりました。
 現在、東京都の主導によりまして、全都道府県が一致協力いたしまして、監視及び差し押さえ体制を堅持することで輸入脱税軽油の国内流通が阻止されているところから、法改正には一定の評価をしているところでございます。

〇長橋委員 大変な法改正で、非常に東京都の働きがすばらしかったと思いますが、この地方税法改正以降、東京はどのような取り組みを行って今現在いらっしゃるのか、またその成果はどれぐらい上がったのか、お伺いをしたいと思います。

〇吉田課税部長 税制改正を機に、脱税目的の輸入軽油は一滴たりとも国内に流通させないとの強い方針で臨むことといたしました。改正法適用に先駆け全国連絡会議を開催いたしまして、脱税目的の輸入軽油取り締まり策を示しまして、関係道府県と協力して取り組むことを提案いたしました。
 輸入許可時までに申告納付しない業者に対しましては、輸入軽油を差し押さえることといたしまして、関係道府県の納税を確保するため、輸入業者の所在県及び税関や油槽所に主税局職員を派遣いたしまして、道府県の税額決定や差し押さえ処分を支援してきたところでございます。
 その結果、差し押さえなどによる税収額は、十月二十四日現在、全国で約四十三億円、東京都には約二億七千万円が納付されました。各道府県の一体的取り組みによりまして、輸入脱税軽油の国内流通が阻止され、納税秩序の回復が図られているところでございます。

〇長橋委員 大変な成果でありますけれども、その中にあって、知事もいっておりましたけれども、東京都の主税局の職員が全国に飛ぶなどして、また、ある知事から頼まれてやったという話を聞きますけれども、主税局の職員が、具体的に他の道府県とどのような一体的な取り組みをしたのか、行動したのか、教えていただきたいと思います。

〇吉田課税部長 主税局では、課税部、徴収部合同の対策本部を設置いたしまして、税関などからの輸入情報を収集するとともに、各県の具体的行動の報告を受けまして、日々全国に配信する役割を担ってまいりました。
 また、各県の要請に基づきまして、課税権を有する五道県や大阪、新潟など七つの港の税関や油槽所へ延べ二百十名の職員を派遣いたしまして、税額決定や滞納処分など経験の浅い県を支援してまいりました。

〇長橋委員 大変な人数を派遣されて指導に当たったというふうにお伺いしますが、こうした全国の連携した取り組みで脱税を目的とした輸入軽油は全く阻止できていると、大変に評価できることだと思います。引き続きこうした体制を維持しながら、全国の徴収にも本当に力を入れていただきたいと思います。
 ところで、最近、地方税法の軽油規格をわずかに外した石油製品、マスコミの報道では擬似石油などというような報道もされておりますけれども、この石油製品の輸入が七月下旬から大変急増してきているということでございます。そのために、軽油ではないので、輸入時には軽油引取税として課税できないというものであると聞きましたけれども、この規格外石油製品とはどのようなものなのでしょうか、教えていただきたいと思います。

〇吉田課税部長 規格外軽油、あるいは擬似石油、あるいは擬似軽油といわれております油は、引火点や比重を調整いたしまして、地方税法の軽油規格をわずかに外した石油製品のことでございます。この製品は輸入時に課税できないことから、自動車燃料として譲渡、消費されたときに課税することとなります。
 現在、国内に持ち込まれている規格外軽油は、輸入業者の系列や売りさばき先などから判断いたしますと、法改正により、輸入軽油脱税の道を閉ざされたブローカーが脱税目的で輸入していると考えられております。

〇長橋委員 本当にわずかな違いだと思うんですけれども、地方税法上の軽油規格の基準はどうなっているのか。今引火点の違いがありましたけれども、その基準と規格外軽油とはどの部分が違うのか、もう一度教えていただきたいと思います。

〇吉田課税部長 地方税法では、比重、九〇%留出温度、一〇%残留炭素、引火点、この四項目について範囲が規定されております。
 お話の規格外軽油につきましては、引火点が百三十二度から百三十七度でございまして、地方税法で規定されている引火点の基準百三十度以下をわずかに外れているものでございます。

〇長橋委員 本当に、それでも車は走るということで、日本のディーゼル車、エンジンが大変性能がいいということになるわけなんですけれども、この規格外軽油の輸入量、主に韓国とかそういったところから輸入されているというふうに書いてありましたけれども、その大要についてお伺いをいたします。

〇吉田課税部長 まず輸入量でございますが、十月二十四日現在、約二万キロリットルでございます。主税局では、自動車燃料として使用されることが明らかな規格外軽油につきましては、輸入許可時までに申告納付させるとともに、脱税目的の石油製品を輸入しないよう関係業者に厳しく指導しているところでございます。
 規格外軽油は広域的に流通しておりまして、東京都だけで対応できるものではございません。今後とも、関係県と情報交換を密にいたしまして共同して調査を進めるなど、脱税は絶対に許さないという強い姿勢で臨むとともに、引き続き主導的役割を果たしてまいる所存でございます。

〇長橋委員 今までと違って大変難しい対応であるかと思いますけれども、この規格外軽油、この脱税については、本当に新しい手口、本当に悪質な手口でありますけれども、今いわれたとおり、絶対に許さない。せっかくここまでやってきたわけでございますので、ぜひ東京都が主導的役割を果たして、また全国各県と連携をとって取り組んでいただきたいと思います。
 そういった今までの手口と、また悪質業者のそういった手口を聞いてきたわけですけれども、この輸入軽油または規格外軽油の脱税問題を解決するためには、本年度改正された地方税法だけではなくて、制度上の手当てが本当に必要であるのではないかと思います。そうしないと、また新しい手口が--既に新しい手口が出てきたわけでございまして、イタチごっこを繰り返してしまうのではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 それに対してどのような見解を持っているのかお願いして、私の質問を終わります。

〇吉田課税部長 輸入軽油の脱税は水際で食いとめておりますが、現在も、輸入の都度、関係道府県は職員を税関や油槽所に派遣している状況でございます。今後も、国に対し、納税証明を輸入許可の要件とするよう要望してまいりたいと思います。
 また、法制度の盲点を突いた規格外軽油の脱税手法に対しましては、関係各県との連携を密にいたしまして、情報収集や流通経路の調査を行うとともに、現行法でとり得るあらゆる手段を駆使しまして、納税秩序の維持及び税収確保に全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 さらに、抜本的な対策といたしましては、先生ご指摘のように、国に対しまして法改正を要望してまいる所存でございます。

2001.10.30 : 平成13年財政委員会

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東京都 長橋桂一
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