昨年の台風12号大水害によって被災した地域の現在の状況を理解しておくために、本宮町奥番地区、請川地区大塔川、熊野本宮館、熊野川町日足地区、新宮市相筋地区、那智勝浦町井関地区、市野々地区、田辺市大塔村熊野地区等を訪問した。

集落そのものを閉じざるをえなくなった本宮奥番地区、那智勝浦町の那智川沿い井関地区、市野々地区、大塔熊野地区等々、復旧復興がそれなりに進んでいる所もあるものの、まだまだその災害の大きさを物語る爪痕が多く残っていた。

災害直後にこれらの地を訪れた時は、東北で見た津波被害現場と変わらない家屋の倒壊の様子や、至るところにある土石流に崩された山や護岸など、本当に言葉も無かった。

多くの住居家屋の改修等については相当進んできた印象だったが、しかし一方、土石流跡や破損した護岸など、手つかずの所も多くあった。知り合いの方も何件か訪ね、当時の苦労や今も不便に感じている事、又、地元小学校の再開にむけての話など貴重なお話も聞けた。

熊野地区では、災害直後はバンガローを越えた所の高台から見るしかなかった土石流跡の河川に降り、百間登山口のあったあたりまで歩いた。

大雨が降り始めた事もあり、土砂ダムの水を抜く為に作られた水路に相当な水量が激しく流れ、それを見るだけでも災害時の住民の方達の恐怖というのは大変なものだったのだろうと感じた。

当時、勝浦の方から、「下の川はあふれてくる、上の山は崩れるかもしれない、こうなると逃げるところがない」というお話を聞いたことがある。

今回も現場を見てあらためて思ったが、普通ではない雨の量だと思った時点、安全に行動の出来る時点で早く避難する、この事の意識が本当に大事だ。早く、すぐに行動をするというのは津波防災に対しての意識も含め、安全確保の基本だと痛感する。

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田辺市 小川浩樹
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